ライブ終了後のなんばHatch。充実感溢れる顔をした観客の中、悠季はA(仮名)に一言つぶやいた。

「……完敗です」

満足そうな顔のA。

悠季の頬に一筋の涙が流れた。



いや、泣いてはないですけど。







と言うわけで、スーパーロボット魂(スピリッツ)に参加。

ことの始まりは数週間前、誕生日にライブとかないかな~とウェブ上を彷徨っていた私の目に「スーパーロボット魂」の文字が。

「スーパーロボット大戦」シリーズはは今でも買ってますし(惰性だけど)声優に憧れた時期もありました。

普段V系ライブがどうこう言ってますが、そもそも初ライブは某声優のライブだったりする。

たまにはこういうのもいいかな、と5~6年振りにアニメ系ライブに参加。

せっかくなんで、同じくその方面について詳しいサークルの先輩(OB)であるAさんを誘う。


ライブは17時開演なので、昼頃にサークルの同期(やっぱりOB)であるN君に会ったりしてダラダラと話す。

N君は卒業後も大道芸をやっている人で、N君のショーを見たかったわけだが、見てるとライブに間に合いそうになかったんで諦める。

わらわらと難波を目指すAさんと私。

途中、Aさんはライブなんて10年振りだと言うので自分の持っているライブ知識を話す。


「いや、それはアイドルのライブでののり方ですよ」

「それは今時無いっす」

「あ り え な い」

「MCとかは……多分いないっすね」


と、Aさんの知識を9割否定。


で、なんばHatchに到着。

中に入る。

……なんか、臭い?


そう、普段行ってるライブとは客層が違うっつーか、男女比が真逆。

嫌な予感がし始める私。


大体真ん中くらいに陣取り、15分ほど待って開演。

いきなり出てくるMCの「ショッカーO野」氏。


……へ?


何かが違った。



いや、いいライブでした。



OPで永井一郎氏(代表作:サザエさんの波平。ガンダムのナレーションもやっていた)が出てきて生朗読とかしてたし。

水木一郎氏とか影山ヒロノブ氏とか森口博子さんとか、つーか、全員普段行ってるバンドとかより歌唱力あるっぽいし。

いいもん見た、感は強い。




でも、何かが違う。


開演前に9割否定したAさんの知識、ほぼ全部正解。

自分の方が間違い。

つーか、客が、なんか、許せない。

なんか、無駄に、目に付く。



繰り返しますが、本当にいいもの見ました。


でも、この日得た結論。


「自分はV系の住人なんだ……。もう、この業界には戻れないんだね」


V系の住人だってことを誇りに思って、2週間後に関東遠征します。