第三回はOSI基本参照モデルのことについて話を進めていこう


 OSI参照モデルは、通信するためのプロトコルの「モデル」だったね。
OSI参照モデルはあくまで、「モデル」。各層のおおまかな役割を決めているだけに過ぎない。

 つまり、プロトコルやインターフェースの詳細を決めるモノではないわけだ。いわばプロトコルやインターフェースを勉強するときのために使うものなのだ。

 多くの通信プロトコルは、このOSI参照モデルの7階層いずれかに当てはめて考える事が可能だ。当てはめることによって、プロトコルの位置づけや役割を知ることができる。
そして、各プロトコルを勉強する前にOSI参照モデルを勉強すれば、より理解できるようになる。


次に7階層について解説していこう。



■アプリケーション層
アプリケーションの中で通信に関係する部分。
ファイル転送や電子メールなどを実現するためのプロトコルがある。

■プレゼンテーション層
アプリケーションが扱う情報を通信に適したデータ形式にしたり、下位層から来たデータを上位層が処理できるデータ形式にしたりする。

■セッション層
データの流れる論理的な通信路の確立や切断、データの切れ目の設定などの管理。

■トランスポート層
宛先のアプリケーション層にデータを確実に届ける役目など。

■ネットワーク層
宛先までデータを届けたり、アドレス決めや、どの経路を使うか、など経路選択の役割をもつ。

■データリンク層
直接接続されたコンピュータ間での通信を可能にする。

■物理層
ビット列(0,1)を電圧の高低、光の点滅に変換したり、その逆を行う。



簡単に解説すると、こんなところだろう。
もっと詳しく知りたいなら専門書を読んだりした方がよりいいだろう。




短かったけど、今回はOSI参照モデルを簡単に説明した。次回はOSI参照モデルの通信を具体的な例を使って解説することにする。

初回なので飛ばしてこうと思う。

第二回は、プロトコルの誕生の歴史、そして標準化に到るまでのお話。



二十世紀、コンピュータ通信はだんだんと盛んになってきた。しかし、その頃はまだ体系化、標準化はまだそれほど重要視されていなかったのだ。
各コンピュータメーカは独自にネットワーク製品を作り、コンピュータ通信を実現させてきた。

簡単に言えばこういうことである。「自分のことで精一杯」。結論から言えばこうなる。



ここで分かりやすく人間の市場取引に例えたとする。


昔昔、Aさんは狩りなどを行って、自分の市場を自分のルールで作った。
Bさんは果物や野菜などを採って、Aさんと同じように市場を自分のルールで作ったとする。

やがて、AさんとBさんお互いは取引をすることになった。でもここで問題が発生する。それぞれ自分のルールで市場を開拓してきたため、
そのルールの違いから、お互い一歩も譲らない。結果、取引は失敗してしまった。



いざ通信しようとしてみるものなら、お互い全く違うプロトコル、互換性なんていかんせんないので通信なんてできるわけがなかったのだ。

ここで、利用者にとっては何が問題になるだろう。最初にそのメーカーのネットワークを導入したらいつまでも同じメーカー品を買い続けなければいけない。
これは不便以外の何者でもない。メーカーがなくなったり、いつまでもその製品がサポートされなくなったりしたらどうしたらいいのだろう。

以上のことから、その頃のネットワークは柔軟性、拡張性に非常に乏しいものだったことが分かるだろう。



しかし、時のともにコンピュータの重要性は増し、多くの企業でネットワークが導入されていった。次第に人々は、メーカーが違ってもお互いに通信できたらなぁ・・・と、
望んでいった。この、違うメーカ同士で通信可能できる互換性を「オープン化」「マルチベンダ化」と言われているものなのだ。


ここにきて、だいたいの人は知っているだろう、ISO(国際標準化機構)が出てくる。


ISO「違うメーカーで通信ができなくてみんな困ってるな・・・」


          
ISO「みんなが通信できる決まりごとを作ろう!」



と、こういうわけである。

そして、そのISOが国際標準としてOSIと呼ばれる通信体系を標準化したのだ。今現在、OSIの定めるプロトコルは普及してはいないが、ネットワークプロトコルを
考えるときによく引き合いに出されるのである。

そしてその考え方から生み出されたのこそ、TCP/IPである。プロトコルが標準化され、すべての機器がこれに準拠すれば、ハードウェア、OSの違いを意識せずとも
通信が可能になるというわけだ。体系化、標準化したお陰でいかに便利になったかが分かるだろう。



少し話を戻す。ISOはプロトコル標準化の前にOSI参照モデルというものを提唱したのだ。これは通信に必要な機能を7つの階層に分けたものである。

7つに分けるメリットは、機能ごとに分割することによって、複雑になりがちなネットワークプロトコルを単純化しようとしたわけなのだ。

理想的には第1層から第7層までを作って繋いでしまうことで通信を可能にする。このシステムの特定の部位を変更しても、全体にはあまり影響が出ないので拡張性、
柔軟性に富んだシステムを構築できる。この考えなしには今現在におけるインターネットの発達は有り得ないものなのだというのが分かる。





ここまでで、プロトコルの標準化、その成り立ちが少しずつだが見えてきたと思う。


次回はOSI(基本)参照モデルについて詳しく説明する。これが分かれば、TCP/IPが良く理解できるようになるはずだ。

 コンピュータやネットを使う人なら、よく「プロトコル」というものを一度は耳にするだろう。

プロトコルってなんだろう?なぜ必要なの? 今回はそういうプロトコルの入門的なことについて話していこう。




 みなさんはインターネット使うよね。最近はネットを通じて色んなことが出来るようになってきて、本当にびっくり。

ではここからが本題。

そのネットを通じてコンピュータ同士はどのようにして通信しているのか不思議に思ったことはないだろうか?

会話に例えてみよう。


日本人であるAさん。この人はもちろん自国の日本語は分かるし、英語もある程度分かる。そして、フランス人のBさん。
この人も同じくフランス語は分かるし、英語もある程度分かる。

この二人が互いに自国の言語で挨拶したとしよう。



Aさん 「こんにちは」      

Bさん 「
Bon jour.

Aさん 「えっ、何と言っているのですか」      

Bさん 「
Vous avez quelque chose a` dire?



さぁ、困った、これでは互いの話が全く通じないよ。まるで会話にならないね。
ここである約束事を決めてみよう。


新しく決めた約束事

・使う言語は英語


今度はどうだろう。



Aさん 「 Hello! 」
  
Bさん 「 Hello! 」


Aさん 「It's a Nice day.」      

Bさん 「Yes.」




おや、今度はちゃんと通じたようだ。今度は、会話するための言語を取り決めた。その結果両者の会話は成立しえたのだ。
そう、気づいた方もいるだろう。プロトコルとは、コンピュータとコンピュータが通信するための約束事、決まりごとなのだ。
これがないとお互いにコミュニケーションが取れない、そういうわけ。


しかし、そのプロトコル。これがまたたくさんあって非常にややこしい。なぜそんなにあるのか、だって?それは手段、使う用途の数だけ
そのプロトコルはあるからに他ならないからだ。


ここで代表的なプロトコルをいくつか挙げてみよう。



・HTTP
WebブラウザとWebサーバ間で使われるプロトコルである。Web記述に欠かせないHTML(Hyper Text Markup Language)を
送受信することを目的としている。今、最も使われているプロトコルの一つ。


・FTP
インターネットやイントラネットを介してファイルを転送するためのプロトコル。
普段意識することはあまりないであろう。


・SMTP
インターネットで電子メールを送信するためのプロトコル。


・POP3
電子メールを保存しているサーバからメールを受信するためのプロトコル。
SMTPとセットで使うのが主。



挙げればキリがないのだが、これくらいは覚えておいて損はないと思う。





今回は以上でおしまい。
プロトコルのことについて少しづつだろうけど分かってきたことだろう。

次回はプロトコルの歴史と標準化について、考えていこうと思う。