戸田てこの「て、ことだ!」 -33ページ目

もう信じない

すごく頑張って我慢してたのに耐え切れなくて
別れてから初めてあの人に電話しました。

あの人は毎日元気に過ごしてた。
「電話かけたいならかけていいよ。
俺にとっては何のためでもないけど。
俺はニーズには答える男だから」
と言われてしまった。

「バイト明けですごい眠いからもう切るね」て。

あたしの好きだった人は心のない人だった。
すごく悔しかったです。

あたしは電話がつながったらなんて言うつもりだったんだっけ?
泣きそうな声で『会いたい』て言うつもりだった。

バカダナア ドラマノミスギダヨ

たくさんのあたしの大切な人たち。

またもや、やられてしまった。
奴等にやられてしまった。

一週間ぶりの学童はやっぱりあったかくて
飛びついてくる子どもたちに
「マイッタナア」てふりをするのが大変。
とどめの一撃はゆうりが作ってくれた絵本。
『てこのゆめの世界』。


〈よるになって、てこはねた。
そしててこはゆめをみた。びんぼうなゆめだった。
ゆめの中は、
ななみ「もう早くそうじしなさい」
てこ「なにするの」
てこはにげだし、川で石なげをしていると、
うしろから男の人がいました。
てこはほれた。
男の人「どうしたの」
てこ(ドキンドキン)
男の人はあってからお金を1000万円だし、
てことけっこんして、おしろをかいました。
そしててこは、大金もちになり、おひめ様になりました。
てこはベットからおちて
(ドン)てこ「いてーーー」
そして、外へ出ると、太陽がきれいにあがっていました。
そしてうしろをむいてかえろうとすると、
ゆめに出てきた男の人がいました。
ゆめとおなじで、その男の人は、てことけっこんして、
てこは、おひめさまに、なりました。
ゆめだったのが、てこは、ほんとうに
げんじつになると、しんじていたから、
てこのおもいどおりにげんじつになりました。
(おわり)  〉


文豪現る?てほどのいい話だった。
なんだか今日、
あたしはあたしに生まれてよかったな、と思った。
相変わらず独りよがりで意気地なしで
プライドだけむだに高くてモテないけど
あたしでよかったな、てちょっと思った。

そんな大それたことを一瞬でも
この年の終わりに思えたこと。

どうもどうもありがとう。たくさんのあたしの大切な人たち。

クリスマス

昨日は大丈夫な気がしたんだけどな。
なんだか、すごいくだらないことに
いつまでも囚われてるなあって、
もう別にいいじゃん!て
笑っちゃうくらい素直にそう思えてさ。
あ。今日から出発できるかもって
思えたんだけどな。
友達といるのも強がりじゃなくて楽しかったし。

けど、まさかまさか
Mステの平井堅の歌なんかで「くる」とはね。

どうして泣いちゃうのか自分でもわかんない。
水みたいな濃度の薄い涙がじゃぼじゃぼ出た。


ばっかだなあ

ずるい

一人でもやっと平気になれたのに
二人を教えたのはあなただよ
なのに今更ずるい。ずるい。ずるい。

楽になりたいとは思うけど

さよならが
うまくなったら
おしまいだ

あのな、

あの人のな、
首のとこにあるほくろが
忘れられへんだけやねん。
あとはほぼ大丈夫やねん。
ほんまやで
ほんま。

旅の終わりに

ここ三日、旅に出ていました。
ほんというと、あの子の誕生日から逃げるための旅。
「じゃ、広島来い!!」ていうてくれた友達に甘えて
鈍行使って行ってきました。



この一ヶ月間あたしは逃げ続けたな、と思います。
さっき、旅からの帰り道。歩きながら

逃げてきた私を大きく大きく振り返ったら
それはまっすぐ私が私へむかって進む道だった。

苦しさから逃げようとすることで苦しさに向かっていた
あの人から逃げようとすることであの人に向かっていた


いつか全部まとめてあの人に自慢話できるような気がしました。
あたし、本当にこれは思ってるんやけど、

この別れてからのこの日々が
今年一番美しい季節です。
空はものすごく遠くて椿は目に鮮やかで海は光っていて
この、別れてからの日々がなぜか、今年一番愛しい季節です。

2004-12-17

さすがに自分に腹が立った。
さすがに自分はこのままでは駄目だとわかった。
自分に怒りをもった。
あたし、
しっかりする。
もっと
しゃんとする。
あたしはあたしを認めてあげたい。
いつか認めてあげたい。
そのために、お酒で紛らわせたり
他の男の子で紛らわせたり
もうしないんだ。

しっかりしな。
一人をがんばるってきめたんだ。
透明な目を持った人になりたいんだ。

今のあたしにはたくさんのものが
まとわりついてる。
だから
あたしは歩くんだ。
強い目を持って。
くたくたになることを恐れちゃいけなかったんだ。
今日から始める。
もっと強いあたし。

逆戻り

目をつぶって一生懸命走ったら
少しは明日が早く来るだろうか

今日は今日から逃げてしまわないと
飲み込まれてしまいそうで
テレビばかりつけてた

おばあちゃんと

久しぶりにおばあちゃんに会いに行った。
三十分くらいかけて
「かっぱ寿司」に初めて行った感動を語るおばあちゃん。
おばあちゃんは回転するおすし屋さんに初めて行ったんだって。
その全品100円という安さと、それに見合わないおいしさに
びっくりしたんだって。
そして、すごい秘密を打ち明けるように言った。

「てこちゃん、でも、メロンは150円やけん気ぃつけぇよ?」

東京フレンドパークを見ながら
おばあちゃんの作った晩御飯をおなかいっぱい食べた。
お味噌汁はゆずの皮が散らしてあってとてもおいしかった。

あんなに毎回きいてきたのに
一度も「最近、彼氏とはどうなの?」て
聞いてこなかった。
ははーん。おかあさんが言ったんだな。

ヨカッタ。


家を出る時、門のところで手を振ってくれた。


あんね、
ほんとは、今日とても苦しかったよ。
なんだかとても苦しかったよ。