母は赤い口紅をつける人だった。

最近では飲み食いしても落ちない口紅や

落ちないようにするためのリップグロスなどが売られているが

当時はそんなものない。

おしろいをする母が私はあまり好きではなかった。

清潔感に欠けるのだ。

かといって

母は厚化粧をしていたわけではない。

 

前のブログにも書いたが

母はあるときすごい衣装で出かけた。

父と同伴で。

しかし小学生だった私にはその出来事は度肝を抜いた。

母は比較的おしゃれな人だったと今は思う。

しかし

ラメの入った赤いワンピースはやはり群を抜く。

何しに行くんだろう?

「ちょっとお酒に行くね。」

両親はそう言って出かけた。

約4時間で帰ってきた。

私らは寝たふりをしていたが

不安で不安で仕方なかった。

 

着飾ると言えば

妹や私の結婚式に黒留袖を着ていた。

母は最近私と話した時

「今、黒留袖をお嫁入り道具に持たせる家ないんだってね。」と言って

自分が持ってきたことを少々嘆いていた。

なぜなら

ほんの数回しか着ていないからだ。

私らの他に遠い親戚とかにしか着ていない。

もったいないなーと言っていた。

 

そう

私は黒留袖をお嫁入り道具には持ってきていない。

自分で買うのかと聞くと

「レンタルで十分や。」と返された。

 

それでも

黒留袖を着た母はその日機嫌が良かった、と思う。

娘のハレの日だ。

うっとうしい顔をするわけにはいかない。

 

こんな事もあったな。

仕事を始めた母は

なにかと体裁を整えねばと頑張っていた。

思い出すのは

ブランドもののスーツ。白だ。

今から思えば、やはり派手だ。

こないだ

「譲ってあげようか?」と言われた。

「入らない。」と断った。(いらない、ではない。はいらない、だ。)

 

母の結婚式は

ウェディングドレスでホテルの大広間で結婚披露宴をしている。

写真を見たらすっごい仏頂面。

結婚式の時トラブルがあったそうだ。

そりゃー機嫌悪くなるわな。

不思議なのは

私は父の結婚式の姿を思い出せないのだ。

結婚式はやはり女性が主役なのだろうか?

 

来年いくつになるだろう?

母は相変わらずおしゃれである。

派手か地味かにかかわらず。

 

ではまた。