久しぶりに森薫『乙嫁語り』(KADOKAWA「青騎士」連載)を読んだ。
前に読んだのときは多分12巻までだった。なので13巻および最新刊(と言っても出てから一年半だけど)14巻は今回初めてになる。
私は初期作にして出世作である『エマ』から森薫を読んでいる。連載されていたのは「コミックビーム」。出版社は現在はKADOKAWAだが、当初はアスキーだった。
『エマ』の1巻と最終10巻とでは、もう中学生が美大生になったぐらいの違いがある。さらに『乙嫁語り』14巻などは、画業20年間(以上かな)に森薫が重ねてきた精進にうなる。
同じく「コミックビーム」で知った入江亜季も同様で、最初期の同人誌作品『コダマの谷 王立大学騒乱劇』と現在連載中の『北北西に雲と往け』とを並べてみると、やはり中学生が美大生になって、更にプロになった(いやプロですけど)というほどの感慨がある。
いや〜、おのれの仕事に対する精進というのは、どんな人でも美しいですね。
◆以下は、該当の作品を読んでいないとわからない記述です。すいません。
それにしても、この「乙嫁語り』を14巻まで読んで「この人、一番かっこいい!」と興奮したのは……あと3年待てばいいかしらのカルルクでも、目麗しく高貴な猛々しさをもつアゼルでも、眼鏡を外すと二枚目というお約束のイギリス人スミスでもなく……ニコロフスキだった(だれ?)。
13巻、どこか(たぶんロシア)の兵隊と闘うニコロフスキのカッコよさよ。長身で頼りになる寡黙な男……。こんな外見と人物造形までたどりついた森薫の精進は尊いなあ。
ちなみに『乙嫁語り』男前ナンバーツーは、砂漠の女タラスさんをスミスのもとに連れてきてくれた男性(名前あったかな?)。いい人だ〜。
◆
現在映画がヒットしている『ゴールデンカムイ』だって、原作を読んでいて「もしかして一番がっこいいのは、この人ではないか?」と思っていたのは、不本意ながら(?)牛山だったりする。だって女性に優しいでしょ?
やはり男は見目ではない。いや、見目も大切だけど。
変わったのは、エマのエプロンのフリルだけではありませんな。
裏表紙にニコロフスキの勇姿がカラーで登場!