捨てられた猫を拾ってあげた。川沿いを、お腹がすいて悲しい声で私を呼ぶ。その声は独特の余韻を残すさみしい声である。声のする方へと近づけば親分肌の性格の悪いボス猫が威嚇、抵抗して向うが負けて退するや、しつこく迂回して、えさを確保する。そんな日々がづづいているある日、捕獲して我が家へやむなく連れて来た。そしてエイズで、死んだ、三か月、居なかった。だんだん痩せ衰えて、衰弱して、苦しみ死んだ。性格が強い猫ほど、安らかに死なない。可愛かった。今度生まれてきたら、又暮らそう。名前もつけてやれなかった。白猫で尾っぽ黒く、頭のてっぺんはお皿大と黒い、にゃんバイバイである。