トランスデジタル株式会社が新株予約権の行使による調達金額の充当状況調査状況について開示しました。「同不渡り処分の前後から実質オーナー経営者及びその関係者との連絡が取れない状況が続いています。」って、事件の香りがプンプンしますね。


「平成20年7月以降、会社の財務状態は悪化」とあるにも関わらず、「第13回乃至第25回新株予約権による払込金額の総額は2,830百万円でありますが、平成20年8月28日現在において小切手の決済を行うに足る十分な金額の現預金の残高がなかったことが判明」って、丸二ヶ月で、そんなにお金がなくなる規模の会社じゃないはずですヨ。


KDA監査法人も、「増資資金回収の是正勧告書」なる文書を出して、リスクヘッジに入りました。「平成20年9月2日付で当社の会計監査人であるKDA監査法人より、当社が平成20年7月29日から平成20年8月27日までの間において、取締役会の決議を経ることなく、多額の貸付を行っており、このため当社が資金繰りに窮し、増資資金が十分な資本充実のために使われたものとは考えられないこと、何らかの不正行為、或いは架空増資が行われた可能性があること、ならびに監査法人に対し今回の増資についての明確な説明と増資資金の貸付先からの回収等の是正処置を速やかにとること、という趣旨の「増資資金回収の是正勧告書」が提出されておりました」とのことです。ポイントですが、KDA監査法人としては、7月29日までチェックしていたということです。ということは空白期間は、約1ヶ月です。


今回の開示では、一切、全貌が分かっていません。進展なしです。一般投資家は会社から開示される情報しか手にすることができません。空白期間の1ヶ月に何があったのか、追加情報を待ちましょう。