株式会社セイクレストが、MSCB及びMSワラントを発行するようです。


<概要>

資金調達額  2.5億円

割当先  OVE第2号投資事業組合

当初の行使価格で想定する株式増  72,716株 (現在79,665株)

潜在株式の比率  91.28%

行使価格の修正  前取引日の株価終値の90%に修正。

当初の行使価額  3,820円

行使価額の上限  5,730円

行使価額の下限  1,910円

資金使途

① 支払い遅延状況の解消及びリストラ業務に伴い発生する費用への充当  82,500千円

② 短期借入金の返済  100,000千円

③ 上半期に償還を迎える金融機関保証による社債償還への充当資金  50,000千円


6月27日の開示文書において、「不動産流動化事業における物件担保による一年内返済予定長期借入金1,812,778千円の返済が平成20年9月末日に予定」とありますから、2.5億円程度の資金調達では不安です。とりあえず、つなぎ資金調達といったところでしょうか。本開示文書には、”企業の存亡に係る”、”企業存続に係わる危機的状況”など、なかなか過激な文章が並んでいます。


ファイナンス・スキームですが、行使価格の修正条項もあり、ほぼリアルタイムで、10%ディスカウントで株式を取得できる構図ですので、OVE第2号投資事業組合は、ほぼ確実に儲けることができます。OVE第2号投資事業組合という投資事業組合が開示資料には出ていますが、投資事業組合に出資するメンバーは謎です。出資者はほぼ確実に儲けられて羨ましいですね。


セイクレストの会社の状況を考えると、オーナー交代もありえそうですね。それにしてもセイクレストのこの開示と比べると、トランスデジタルの52億円調達は凄いですね。やはり低位株の会社の中でも悪名高い(?)会社は、市況に関係なく資金調達ができ、底力があります。