沈む沈む 沈んでく
泥の底まで何千里だ
沈む沈む 沈んでく
骨になるまで 何時間
魅力を持った 儚げに
私の命を 終える場所は
神秘的ゆえ 壮大な
母なる海へ 決めたのさ
浮かぶ浮かぶ 浮かんでく
水面に行くまで 何千里だ
浮かぶ浮かぶ 浮かんでく
膨れ上がるまで 何時間
無様に溺れ 水を飲み
意識があれば 生への執着
泳げど泳げど 疲弊して
大きな波に 飲まれるの
ラララ...
そうこうしてる間に また一人
惨めな馬鹿が 飛び込んだ
心 抉れた者が
深海の泡を望み
沈んでも 浮力の鬼で
ふやけずるむけの 四肢を晒す
虫や苔に塗れては
面影は 既に有り得ず
死してなお 心身ともに
凍てつく寒さが 待っている
肺が 苦しい苦しい
覆水は盆に返らず
安楽に死ねると思った
そんなことは 決して無かった
水が がばごぼ ごばがぼ
浮かび沈んで 魚に喰われ
内臓腐って 青赤滲んで
亡骸漂い 残ってる
『刹那的に儚き夢を追い
美しい水面に飛び込んだとしても
願う先の
海の底の藻屑に決してなれず
醜く変わり果てるは
死臭を放つ 土左衛門』
ああ 哀れなり