蒸し暑い東京を脱出し、北陸新幹線に飛び乗って実家に帰っている。
さようなら、太平洋
こんにちは、日本海。
上京して湘南に初めて行ったとき、その砂浜の黒さに驚愕したのを今でも覚えている。
日本海の海岸の砂は白いのだ。白砂青松だ。
足の裏が踏みしめた砂浜の感触を覚えている。
同時に二度と戻ってこないあの夏の想い出が奔流となって去来する。
故郷の海は、私にとってのマドレーヌなのだ。
敦賀には13時過ぎに着いた。
さて、軽く腹拵えしよう。
軽く蕎麦でもたぐろうかと思ったが、意中の店は夏休みもあって混み合っていた。
16時にはぴらいんに乗って武生、そこから更にバスに乗って母方の実家に行かなくてはいけない。
敦賀では田舎で買えない食材を買っていきたいのだ。
アルプラザ(イオンやヨーカドーみたいな1階がスーパー、上階に生活用品、映画館があったりする平和堂の仲間)で何か軽食を摂ることに決めた。
『たにでの店』が開いていた。
昔はスガキヤとかマクドナルドあったのにな~。
贅沢は言うまい。
焼きそばとアイスコーヒーを注文した。
うどんほど太くない、パスタほどはコシのない麺を箸でたぐりながらふと顔を見上げると、敦賀で1番高い山、野坂山の勇姿が窓越しに目に入ってきた。
あぁ、高尾山よりも標高の高い野坂山よ。
どうして頂上にはトイレがないの?
バイオマストイレとか設置しといて欲しかった。
しょうがないからあの時は草叢で、ゲフンゲフン💩
駅前には『ちえなみき』という、ちょちょっと毛色の変わった書店(でも販売メインというわけでもない不思議な 書物の阿房宮)がある。
私はここが大好きで、時間あれば一日中ここで読書に耽っていたい。
そして、この『ちえなみき』をプロデュースしたのが、先ごろ冥府へ旅立った松岡正剛氏なのだ。
千夜千冊の、縦横無尽に書物の海を泳いで知のネットワークを構築する読書術は、スリリングで、エキサイティングで、アメイジングで、凄い読書熱を煽られて、おかげで家には積ん読の山がいっぱいだ。
いつか私も松岡正剛氏のように、自分の本の系統樹を育ててみたいと思う。
R.I.P.