コスプレ衣装
に使う生地(布)
生地選びの最低限知識 •
生地の名前は一定ではない素材、織り方、布屋の独断等で名前が決められます。
同名だからと同じ品質・質感・厚みを期待すると当てが外れることがあります。
通販より実際手に取って見れる実店舗がお勧めです。 •
綿よりポリエステル系の方がシワになりにくい綿100%の方が安いですが、
会場までの持ち運びでシワがつくのを避けたいものにはポリエステル系をお勧めします。ポリエステル100%とポリエステル混合がありますが、混合でもポリエステルと書かれていたり、名前分けは割と適当のようです。「ポリエステル」「ポリ」「エステル」「綿ポリ、T/C、TC(これは混合のみ)」等。
シワになりにくいことに変わりはないので、少し乱暴ですがこのノート内では100%も混合も纏めてポリと書きます。
(省略して話す人も結構います。例えば「ツイル」は「ポリツイル」のことを指すことが多いです)
定番タイプ •ツイル(ポリがお勧め)定番中の定番、値段もそこそこ。
色数豊富。特に制服系でよく見ます。ベタっとした発色なので、そういったイラストやアニメ等の二次元っぽさを出したい時に向いています。
ポリツイルは業者の衣装にも自作の人にもよく使われています。
ギャバという布はツイルに似ています。
ツイルやギャバより厚いのはカツラギ、更に厚いのがオッスクフォードです。 •
ブロードハリがありシャツ等に向いていると言われる生地ですが割といろいろ使えます。
薄めなので淡い色だと透けることがあります。
色数豊富。無地はT/Cブロードもありますが、プリント生地は綿ブロードが多いです。
•シーチング薄手で柔らかめ。少し毛羽だっているので色がソフトに見えます。色数豊富。綿がほとんどで、安いので洋裁では本番前の仮縫い等に使われます。
シワになりやすいためメインで使うのはお勧めしません。 •アムンゼン(ポリ)梨地(ざらざら、ちりめんの凸凹を浅くした感じ)で、コスプレで使うならポリです。
ツイルより軽く、パフスリーブやフリル等ふわっとしたシルエットに向いています。
ドレス・中世タイプ •サテンピンキリ!薄手のものから厚手のものまで、光沢も品物次第です。
光沢抑え目のバックサテン、上品な光沢のウエディングサテン等はよく聞きます。
玉虫効果のタフタも使いどころが似ています。ウエディング・ドレス系ではシャンタンもイメージによっては良いと思います。
•ジョーゼットシースルーで、弾力性があるのでボリュームを出しやすい生地です。薄手~中肉、ストール・スカート・等で見られます。
私のイメージは天女の羽衣。
ハリがあるオーガンジー、柔らかいシフォン等も使いどころが似ています。
•ベルベット(ビロード・天鵞絨)光沢のある短い毛羽の生地、絹や化繊が多いです。
薄手~厚手、クラッシュとつく変わった光沢のものまで様々。
ベロアも製法は違いますが見た目はほぼ同じです。
別珍は製法も違いますが一番の違いは素材で、綿糸です。
•ハイミロンベルべットに似ていますが光を反射しないので光沢がなく、どこから見てもほぼ色が一定です。ライトやフラッシュで衣装が光るのが嫌とかベタっとした発色を求める方にはハイミロンのほうがお勧めです。固めなのでジャケットや中世軍服に使う人を割と見ます。
端がほつれません。
特殊タイプ (基本的に端がほつれません、接着剤で貼れます) •合皮(フェイクレザー)革を模したものなのでざらざらなものからエナメル加工をしたものまで、いろいろな種類があります。
本革は値段が張るしケアが大変なので使う人があまりおらず、レザーと言うときもたいがいフェイクレザーを指します。 •
エナメル光沢ありとなしがあります。
体に添わせたい場合はストレッチエナメルをお勧めします。 •ラリッサ表面はビニールで裏にガーゼのような布が貼られており、厚みと固さがあります。コスでは生地としてではなく、裏の布を取って武器や鎧等の表面として貼りこむという造形材料として有名です。
ビニールだけにすると合皮やエナメルより伸びるのと、金属のような光沢の生地があるのが利点です。
注意 ※これら光沢(ツルツル系)のものは扱いにくいことでも有名です。
ミシンで布送りができないことが多いのでテフロン加工の押さえ金を使う・シリコンスプレーをふる・紙を挟んで縫う等の工夫が必要です。また、通気性がないので面積が広かったり長時間着る場合は、通気性の良くなる裏地を付けることをお勧めします。
その他タイプ •チュールパニエ等に使われる、細かい網目の生地です。柔らかいものはソフトチュール、固いものはハードチュールといいます。
パフスリーブの膨らみを作るために仕込んだりもします。
端がほつれません。 •チャイナジャガード(ブロケード)いわゆるチャイナ生地です。
すごくほつれます。
•ちりめん(縮緬)表面にしぼ(凸凹)がある和風の生地です。
•ニット洋服でもおなじみ、いろいろな種類があります。 •
レオタード系(ストレッチ・1way・2way等)いろいろな生地があり、定番はありません。
1wayは1方向に、2wayは2方向に伸びる生地のことを言います。レオタード等は2wayです。
衣装だけでなくボディファンデを自作する際にも使います。
注意 ※ニットやストレッチ等、伸びる生地は専用の糸を使います。
ニット用やレジロンという名前のもので、引っ張ると多少伸びる糸です。
普通の糸で縫ってしまうと生地が伸びたときに糸が切れてしまいます。 最後にここまで挙げたメジャーな「・太字下線の生地(説明内の生地名除く)」を把握できればだいたいの衣装はできるでしょうし、自作派と話をしたり業者やサークルにオーダーするのにもあまり困らないと思います。 ちょっとマイナーな生地だと、ローンやポプなんかも紹介してませんし、ウールやナイロンといった身近で説明が面倒くさい種類が豊富なものも紹介してません。また生地説明もはあくまで一般論なので、実際店頭で触ってみると細かな種類によってシフォンよりオーガンジーの方が柔らかいと感じたりするかもしれません。
洋裁のプロの方でも表より裏が気に入れば生地の裏で服を作ります。これを目安に、自分が良いと思う生地を見つけてください。