僕の大好きなユーミンのアルバム


深海の街









青く暗いジャケット




大気圧潜水服に身を包んだ2人が抱き合う


まるで宇宙は

地球の深海なのかと思わせるような服装




そんなふたりは抱き合い

顔を寄せあっている



いまの僕らにとって深海とは

地球の神秘であり

未開発、、そんな世界





でもそんな世界で2人は愛し合っているような、


そんな絵にみえる





その絵が想像させるストーリー


いまより先の未来

南極の氷は全て融け


若かった二人が恋をした街は


海の底に沈んだ。


そんな海の底を想像する。



残された彼女が


いまもあの街に残って

または戻って

死んでしまった彼と出会う


死んだはずの彼もまた

この街に帰ってくる想像の世界。




このアルバムの曲たちを聴くと

このジャケットはそんな想像を掻き立てる。






そしてそんなアルバムの一曲目は

『1920』


2020というタイトルを

ZIGGY

eastern youth

もタイトルに付けていた



コロナと新世紀のタイトルとして

とても語感が強いと思う



ただユーミンはここで


1920とアルバム冒頭の曲を名付けた。



そしてこのアルバムジャケットをみると

ぼくにはこのタイトルは


2120


そうみえます



そう遠くない未来

海水に沈んでしまう

小さな島国の街並み



そしてもう1つ

2020年との関わり



コロナ禍の東京オリンピックと

スペイン風邪が流行った

アントワープオリンピック


ユーミンがこの2つを重ねたことに


ぼくはとてつもない感動を覚えました。








そしてこのアルバム深海の街


はじめの4曲は全て




残酷な世界をいつか死ぬと知っても

生きていく。



そんなメッセージをうけとれます


僕が歌詞を書いた

新しい曲は

そんなメッセージから影響をものすごく受けています。




1番サビ


かならず 帰る きみのもとへ

もっと強くなって

もしも 過ぎ去った日々が

もう遅いと言っても




ラストサビ

振り子時計は時を歪ませ

カード配り続ける

私はなにをみているのだろう

今とあの時の間に、、、



信じても信じても

必ず心にも感情にも終わりはくる。


そう歌っていると思います












そして二曲目の『ノートルダム』


このアルバムで1番好きな曲です



ノートルダムの鐘


運命の人に出会った時に鳴る鐘の音

そしてそれは幸せではなく

残酷な愛の始まりだと

ユーミンはうたっています



この曲は頭から最後まで

全てが大好きなのですが


とくに好きな部分は二番の


歩きだそう 歩いていこう

行き止まりと分かってても

思い込んで 信じ込んで

力尽きて倒れるまで

 

重なる白骨を光剥がす時

砂になって崩れる


それは美しい愛の結末


という部分です。



自己犠牲ではなく

信じたものを疑わない

そこに終わりがみえたとしても


それはきっと昔でいう宗教的なこと

人が夢をみるアイドルという偶像

僕たちは運命の人というものを信じます


それが偽物だとわかっても

信じ込む死ぬまで

運命の人なんてほんとうはいないって

わかっても。どこかで裏切られると知っても

信じ続ける美しさに

人の在り方を想います。








三曲目『離れる日が来るなんて』


この曲も

どこまでも続く道を走っている

そう思っている

気がしただけだった。


そんな曲なのですが


僕が特に好きなのはCメロでメロディが

変わってからの情景描写です。



ああ

雪の後の 夜明け前の

誰もいない街

きみのいない 夢の中に

残されて


という部分です


ぼくが1番好きな世界がそのままに投影されている描写で今でもそんな世界にいたいですね。





四曲目は『雪の道しるべ』です



この曲も


運命と思った全てが死に

想い出との決別または心中

そのどちらともとれる歌詞で素敵です



僕が好きな部分は



いつかは溢れる記憶も

残さず覚えておきたい

ある日立ち止まり 何もないことに

突然 気づいたとしても



という部分です。

こんな詞を書けたらなとおもいます。










他にもいい曲が沢山あるのですが

ラストナンバーの

『深海の街』のラストフレーズが

このアルバムの全てを内包していると

ぼくは思っています



帰らないと言った

出逢う以前のあのふたりに

待っていると答えた

君の帰りを永遠に


深海の街でのストーリーが

想像される。


そんな素敵な詞です。