特別永住者にたいしては、「中長期在留者」(いわゆるニューカマー)とは異なる制度となります。
①外国人登録証明書が廃止され、「特別永住者証明書」が交付されます。「中長期在留者」に交付される「在留カード」とは異なり、交付される場所は市町村役場です。
「特別永住者証明書」に記載される内容は、顔写真と氏名・生年月日・性別および国籍の属する国や地域、住居地と証明書番号です。有効期間も外国人登録証明書と同様7年で、7年ごとに更新が必要です。
②また、住所地等の変更の場合の届出義務やその罰則などについては、従来の外国人登録法とおおむね同じで内容もその規制もほぼ引き継ぐものとなっています。
この制度の導入に際して改善されたのは、これまでの外国人登録証明書や「中長期在留者」に外国人に交付される「在留カード」とは異なり、「特別永住者証明書」には常時携帯義務が無いという点です。
しかし、警察や入管職員等に提示を求められたならば、それを見せなければならず、応じなければ1年以下の懲役あるいは二十万円以下の罰金という刑事罰の対象となり、この点は外国人登録法と同様であり、当事者としては改善なのかそうでないのか釈然としないところです。
③いま持っている外国人登録証明書は、新たな制度の導入後も一定期間は「特別永住者証明書」として見なされることになるので、すぐに換える必要はありません。たとえば、現在の外国人登録証につき次回の確認申請期間が「2018年8月1日から30日以内」となっていれば、「2018年8月1日」までがその有効期限となります。
④再入国の有効期間が従来の4年から6年に伸長され、「みなし再入国許可制度」も導入されます。
在留カードを所持する中長期在留者は1年以内の再入国の場合ですが、「特別永住者証明書」を持つ在日同胞は、日本を出国後2年以内に再入国する場合は、これまでのように入管で再入国許可を受ける必要がなくなります。
(*ただし、このみなし再入国許可により出国した場合、2年以内に日本に再入国しなければ特別永住者の在留資格を喪失します。またこの期限は海外では延長できません。)
⑤この制度の大きな問題点は、「有効な旅券」を所持する特別永住者に限っているところです。
「有効な旅券」とは、「日本国政府の承認した外国政府の発行した旅券…」を指しており、「特別永住者証明書」の国籍欄が「朝鮮」と表示されている在日同胞については「有効な旅券」を所持しない者となります。すなわち、韓国籍で韓国旅券を所持する特別永住者についてはこの制度の対象となるが、そうでない朝鮮籍同胞はこの「みなし再入国許可」は適用されないということです(*従来どおり、入管で再入国許可を受ける必要があります)。これは、同じ歴史的背景を持つ在日同胞を分断する新たな制度的差別と言えます。かつて1965年の韓日条約締結時以降、「朝鮮籍」・「韓国籍」と同胞を分断し、「韓国籍」者を優遇してきた差別的取り扱いが、私たちの運動により「特別永住者」という在留資格の一本化で解消されたにもかかわらず、再び分断と差別を導入しようとする制度であることを忘れてはいけません。
(NPO法人 同胞法律・生活相談総合センター)