好きなところを聞くと、いつも顔って言うよね。


「うん、1番好きなのが顔だから。きれいって思う」


1番が顔、ということは他にも好きなところがあるらしい。調子に乗って、他にはどこが好きなの?と聞いてみた。


「身体。全体的に好き」


さすがすぎる……。
身体目当てなんじゃないかとか、もはやそんなことを疑う気にもなれない。むしろ隠す気もないし、私たちの関係は身体抜きでは成立しないのかもしれない。


顔と身体って、正直すぎてちょっと目も当てられないけど——
取り繕って嘘で固める必要がないって、それはそれでいいのかもしれない。


独身の笠松は私と結婚したいとは思っていないし、私も笠松との現実の暮らしは求めていない。この先もずっと、都合のいい関係を望んでいる。


そのくせ、笠松には私だけでいてほしいと思ってしまう。
笠松も、既婚者の私を彼女として見てくれているから、今のところ問題はないのだけど。


「友達に彼女いるって聞かれたら、なんて答えるの?」


「いるよーって言う。もちろんひろのこと」


その言葉があったから、私はそう信じている。笠松はあまりにも正直で、ドライなくらいありのままだから、たまに寂しくなることもある。でもだからこそ、嘘はないと思っている。
アプリも、私はずっと登録したままにしていたのに、付き合ってしばらく経った頃に笠松のアカウントが消えていた。その後探してみたけど、もういなかった。


都合のいい関係、なんて言葉にすると少し冷たく聞こえるかもしれない。でも私たちの間には、嘘もなければ取り繕いもない。正直すぎて、たまに寂しくなるくらいに。
それでいい、と思っている。完璧じゃないけど、これが私たちのかたちだから。