京極夏彦さんのミステリー・伝奇小説にはまっています。
京極さんの本を読みだしたのはつい最近の事です。長らく積読だった「姑獲鳥の夏」や「巷説百物語」を何気なく読んだのですが、あまりに面白くてすっかり京極ワールドに引き込まれてしまいました。
話の筋立てが面白いという面もあるのですが、私は全編にもられた知的な議論（人によっては「ペダンティック」と評する方もいるかもしれませんが）に魅了されました。
「巷説百物語」は妖怪をテーマにした連作なのですが、妖怪とはそもそも何なのかが知的に語られ、合理的に解釈されます。決して摩訶不思議な妖怪談義ではありません。そこに込められた薀蓄は重厚で魅力に溢れています。
もちろん小説ですから、作品世界には裏の世界に住む魅力的な人間たちが数多く登場し、思いもかけないどんでん返しで読者を魅了します。
知的な刺激と物語としての面白さを兼ね備えた一冊として一読してはいかがでしょうか？特に「続巷説百物語」がお勧めです。