エコノミスト予測が過去最大の外れ-5月の米雇用統計、予想外の改善

 

エコノミストはいかにして米雇用統計の予測でこのように大きく間違ったのだろうか。

  毎月の雇用統計で予想外の数字が出ることはよくあるが、5日発表の5月の統計のように、エコノミストがここまで見事に外したことはこれまでになく、なぜそのようなことが起きたか疑問が生じている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-06/QBH4B2DWX2PY01

 

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雇用統計は衝撃的な結果となりました。

 

事前予想はNFP-800万人、失業率が19.7%

「大きくブレることもあり得るな」

「NFP-1000万、失業率20%の大台ならショックで売られるだろな」

「予想を上振れしてNFP-600万人とかでも、ここまで上がってきたからやはり売られるだろう」

などと思いながら見てたのですが、結果は250万人のプラス。

これほど外れたのは見たことがありません。

 

雇用の底は5-6月だろうなと思っていたのですが、実際は4月が底だったことになります。

1ヶ月以上スケジュールを引き直す必要がありますね。

 

米株の上昇を見て、「なんでこんなに上げ急いでいるんだろうな?」と思ってたのですが、理由がわかった気がします。

おそらくアメリカの人々は、自分の周りの状況を見て、雇用が戻りつつあることを肌で感じていたのでしょう。

日本から数字を見てるだけではわからない世界ですね。

 

アメリカは大人1200ドル、子供500ドルの一時金が配られ、失業者には失業保険に上乗せして、週600ドル支給されます。

州によってはさらに上積みがあります。

これが4ヶ月続きます。

 

低所得者層にとって見れば、就職するより大きな収入が得られるので、サボタージュを選択する人もいるでしょう。

 

アメリカ株は週末の上昇で、再びバブルに向かい始めたように見えます。

ナスダックは史上最高値を更新し、S&P500もバブルエリアに入ってきました。

 

正体がわかったところで、今後どのように動いていくのか?

一旦調整したとしても、7月の雇用統計を見たい、8月を見たいということで期待はつながるでしょう。

再びロックダウンに追い込まれるようなことがなければ。

 

しかし潤沢な給付金を背景にした失業者バブルも、8月には終わります。

 

日本の給付金は一時金10万円のみなので、そのような失業者バブルは発生しないと思われます。

アメリカ株がバブルに入った昨年10-12月も、日経平均は最高値を超えられなかったことを考えると、アメリカ株がバブル水準で推移したとしても、日本株はまた同じように頭を抑えられる展開になると考えるのが自然だと思います。

 

業績見通し非開示の企業が多く、PERでは計算できませんが、コロナの影響を受けていない昨年10-12月のGDPが-7%であったことを考えると、22700より上は売り目線で見ておいたほうがいいと思います。

 

また、PERで見れないのでPBRで見るしかないのですが、団塊ジュニアの人口ボーナスが終わった日本ではPBR0.99水準が妥当な値。

3月の底値がPBR0.82、昨年10月-今年2月の高値がPBR1.17であることを考えれば、売り方の最大リスクは日経平均BPS20500×1.17=24000円付近と考えておけばいいんじゃないかと思います。

 

政府の緊急経済対策108兆円は小さい金額ではありません。

しかしそれでコロナバブルが発生するとは考えにくいです。

 

東日本大震災の時は緊急経済対策によって息を吹き返し、半年以上経ってから震災前の株価を奪回しました。

 

人は壊れたものをそのままにはしておきません。

震災前にあったインフラは必要だったから存在したわけで、それが壊れたら修復する動きがあります。

人々は支出し、インフラ再構築のために行動量を高め、それが株価を押し上げました。

 

しかしコロナはそれがありません。

経済が元に戻れば、人々は安堵し、もらった給付金は退蔵されるでしょう。

必要のない人にばらまいている年金と同じです。

 

買い方は過度な期待でついていかないほうがいいと思います。