30年ぶり暴落に映る「コロナ恐慌」最悪シナリオ

 

ニューヨーク株式市場では、価格が一定程度変動した際に取引を強制的に停止させるサーキットブレーカーがこの1週間の間に2度も作動するなど株価は大暴落し、実体経済にも大きな影響が出始めている。リーマンショック時の金融不安、東日本大震災のときのようなリアル経済のパニックが同時に襲い掛かっている。

このままいけば、最悪の事態も想定しておく必要があるのかもしれない。例えば、1929年の世界大恐慌や日本を襲った昭和恐慌に匹敵するような景気後退が起こらないとも限らない。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/336772

 

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書きたいことは山程ありますが、ガイドラインだけ。

 

ここまでの大きな下落は、暴落の初動としては、過去最高の速度です。

S&P500で言えば、リーマン・ショックの初動の2倍あります。

 

日本株は騰落レシオ50を割っても下げ止まらず、これは過去30年で新記録です。

 

リーマンより遥かに大きい下落を予想させます。

 

リバウンドか?

そして3/13金曜日、日経平均は最安値から9%近く跳ね上がり、ナイトセッションも先物はじわじわと上昇。肌感覚ではリバウンドを感じる値動きでした。

 

そして夜間のNYダウは、終盤に緊急事態宣言で跳ね上がり、2000ドル近い上昇。

リバウンドの匂いがプンプンします。

 

 

もしリバウンドの場合のシナリオですが、コールのIVが高すぎるため、長続きしないと思います。

以下に1989バブル崩壊時のリバウンドと比べてみます。

 

 

高値から30%押したところからリバウンド。

今回も同じくらいの下落率になっています。

 

最初2日ほど急速に戻したあとは、時間を使ってIVが下がるのを待ち、青色のだらだら下がりを演じます。

その後本格リバウンドに向かいます。

 

今回もし先週末で底打ってリバウンドに向かう場合でも、同様の展開になると思います。

 

しかし、、

この土日色々と分析してみたところ、まだ底打ちしていないという判断に傾きつつあります。

金曜日の先物は、現物取引時間終了後15分ですっかり行って来いになってしまいました。

 

 

3/2と同様、売り方が自分のやっていることに恐ろしくなって、買い戻しただけのように見えます。

 

そして大きく見えた夜間のNYダウの上昇も、上昇率はここまでによくあった10%未満の上昇にとどまっており、月曜に大きく上昇するのでなければ、リバウンドの狼煙というほどでもありません。

 

ボラが桁外れに大きいので、これでも流れを作るには至らず、ブレの範囲なのかもしれません。

 

ダウと違ってS&P500はまだクリスマス・ショックの底を割っておらず、先導している原油が押し戻されていることも、底打ちを確信できない理由です。

 

大恐慌との比較

そしてS&P500のクリスマス・ショック以降の値動きを、過去の値動きと比較したところ、最も近いのは大恐慌という結果になりました。

 

 

相関係数0.93

2020/3/13=1929/10/30ということになります。

 

高値も揃っておらず、ドンピシャというわけではありませんが、下落率も大体似通っています。

 

これをなぞっていくなら、今回の底打ちは3/25前後ということになります。

 

 

リスク見積

リスクは正確に見積もる必要があります。

本当に大恐慌レベルなのか?

 

下落速度はリーマン・ショックを遥かに超えていますが、これは市場がどれだけ合意しているかによります。

2007年の下落の初頭はサブプライムバブルの崩壊が囁かれていましたが、本当にドン底まで落ちるのか、まだ人々は半信半疑でした。

 

しかし今回はコロナです。

人々の行動が制限されて身動きが取れません。

金融政策や財政政策でどうにもならないことは明らかです。

会社員の方なら社内の至るところにアルコールスプレーが置かれ、隔離病棟のようになっているのを知ってると思います。

 

リーマン・ショックの時は、年率5%程度のGDPのダウンでした。

今回はコロナ前の10-12月期で既に7%のダウンとなっており、そこにコロナが襲ってきたため、リーマン・ショックを超えるGDPダウンになることは想像しやすい状況です。

 

コロナの下落がリーマン・ショックより、少なくとも初動段階ではずっと速いのは、それだけ市場が合意しやすかったからだと思います。

 

それでは大恐慌より大きな下落になるのか?それはまだわかりませんが、少なくともそのペースで現在進んでいることは、頭に入れておいたほうがいいと思います。

 

甲子園もオリンピックも、戦時中に遡らないと中止になったことはありませんでした。

いたずらに煽っているわけではありません。

今直面しているのは、10年に一度ではなく、生涯に一度のリスクであるというのが、少なくとも今現在は妥当な見積りだと考えられます。

 

しかし反面、相手は生き物です。

もし終息になれば、当然暴騰します。

行動を押さえられていた人間が一斉に動き出すので、とんでもない爆騰になるでしょう。

実際に中国では新規感染者が激減し、アップルストアは中国国内のみ営業を開始しています。

売り方はレバレッジを掛けすぎないようにしなければいけません。

 

全てはコロナ次第。

金融政策や財政政策に期待しているうちは、下げ止まらないと思います。

それでコロナが収束するわけではないので。

今週のFOMCで利下げがあっても、日銀金融政策決定会合でETFが増額されてもダメかも知れません。

 

それではいつリバウンドするのか?

希望では上がらず、怒りで上がるのかもしれません。

 

「何をやってもダメ、そんな事はわかってるよ。だからどうした?ふざけんな!」

と、市場にオラついた雰囲気が流れ始めた時、リバウンドしそうな気がします。

「おねがい、たすけて」と政策にすがりついてるうちは、まだのような気がします。