米国、中国製品3000億ドル相当に10%追加関税発動へ
[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米大統領は1日、3000億ドル相当の中国製品に対し10%の制裁関税を課すと発表した。9月1日に発動する。閣僚級の米中通商協議が7月末に再開したものの進展がみられないこと背景にあり、貿易摩擦が再び悪化する恐れがある。
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-tariffs-idJPKCN1UR5EV
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トランプ大統領がツイッターで呟いた瞬間から暴落が始まりました。
Donald J. Trump@realDonaldTrump
...during the talks the U.S. will start, on September 1st, putting a small additional Tariff of 10% on the remainin… https://t.co/9uHUs91afm
2019年08月02日 02:26
いつも思うんですが、こういう政策を大統領が真っ先につぶやいていいもんなんですかね?
重要な雇用統計の発表などは、発表時間を厳格に決められてます。
ツイッターで気軽に呟くものじゃないと思うんですが?
なにか規制が必要なんじゃないですかね?
時間はアメリカ東部時間の13:20頃でした。
順調にリバウンドしていた米株市場にぶつけるようにツイッター発動。
これはトランプ大統領の作戦だと思います。
その一日前、FRBの利下げがありました。
利下げ前のブラックアウト期間でFRBメンバーが何も話せないのをいいことに、トランプ大統領はFRBをこき下ろしてました。
「アメリカ経済がうまく行かないのはFRBのせいだ」
「0.25%の利下げでは小さすぎる」
しつこくしつこく毎日ツイートしてました。
そして当日、0.25%の利下げが決まると、不思議なことにトランプ大統領は何もつぶやきませんでした。
そして米株が下落するのを見届け、場が引けたあと「そらみたことか」と利下げ幅の小ささに散々ツイートをはじめました。
そしてその翌日、今度は市場が反転上昇をはじめました。
十分に反転した頃を見計らって、今回の関税発動のツイートです。
おそらくトランプ大統領は、仕事もせず、ずっと株式市場のチャートを眺めてたんでしょう。
トランプ大統領としては0.25%は小さすぎると主張していた手前、株が上がっては困るのです。
すべてをFRBに責任転嫁したいわけですから。
そして狙いすまして、関税発動。
FRBの小さな利下げ後にもし株式相場が上昇したら、関税をぶつけてやろう。
はじめからそう計画していたんだと思います。
トランプ大統領はすべてをFRBに責任転嫁しながら、どんどん関税を引き上げる方針だと思います。
今回はじめて言及しましたが、25%が上限ではないのです。
50%100%でもかまわない。
弾は無限です。なんなら禁輸したってかまわないのですから。
トランプ大統領とアメリカは、対中協議をまとめるつもりは、はじめから無いんだと思います。
ともあれ、決着は付きました。
「トランプ大統領は株式相場を気にする人だから、株が下がるような事はやらないだろう」などという話をする市場関係者も多かったのですが、今回はトランプ大統領のお墨付きです。
責任転嫁さえできれば株が下がってもいいとトランプ大統領自身が考えてるわけですから、今後も期待はできません。
ここまでの大きな下落をまとめてみると
①2018年1月
これはVIXショックと言われてますが、いったん天井に到達したための自然下落だと思います。
S&P500もダウも、この頂点からほとんど伸びていません。
同時期に太陽光パネルに関する対中関税発動がありましたが、あまり関係ないと思います。
②2018年10月
このときは大きなイベントはありませんでした。
9/24から対中関税第三段が発動されているので、基本的にはこれが原因とは思いますが、ちょっと日が離れており、トリガーになったわけではありません。
株価的には2018年1月の天井から少し頭を出したための自然下落だと思います。
ペンス副大統領のハドソン研究所講演も大きかったかもしれません。
③2018年12月
米中首脳会談の裏でこっそり孟晩舟CFOを逮捕していたことが発覚しました。
本格的な米中貿易戦争の幕開けを告げる出来事でした。
CFOは未だに事実上軟禁されたままですね。
④2019年4月
対中2000億ドルに対して税率を10%→25%に拡大。
同時に3000億ドルに対しての制裁関税第四段発動をちらつかせましたが、これについてはその後無期延期されたため、軽微な下落で済みました。
⑤2019年8月
そして今回、対中3000億ドル追加関税発動を表明。
これでどこまでいくのか?
素直に考えれば④の底は簡単に割ってくると思います。
また撤回となれば別ですが、そう何度も撤回していては中国に舐められます。
「どうせ株価が落ちるのが怖くて発動できないだろう」と。
ディールを心得てるトランプ大統領は、そんなヘタはうちません。
今回の撤回は100%ないと思います。
リスクの大きさとしては②~③と同程度。
クリスマスショックの底を割ると思います。
既に米長期金利は、大統領選前日2016年11月8日の水準まで戻っています。、
トランプ大統領誕生以前の水準。
象徴的にはトランプ大統領の全否定。
マーケットフレンドリーだった良いトランプ大統領は消え、悪いトランプ大統領が台頭する。
債券の人たちは既にそう考えてるということになります。
株価も当時の水準=日経平均16000円台を目指す展開になるのではないかと思います。
追記
記念にダウとNasdaqのチャートを載せておきます。
NYダウ
Nasdaq
ダウは利下げ決定時とほぼ同水準まで回復。
Nasdaqは少し超えたあたりで呟いてますね。
Nasdaqはともかく、ダウが利下げ前の水準を超えると格好がつかなかったのでしょう。
Nasdaqを見て、ダウも上昇しそうだということを確信してのツイートですね。
株式市場を見ながら関税をぶつけてきたのは間違いないと思います。