ダウ急落333ドル安、FRB議長発言で追加利下げ期待後退
[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米国株式市場は急落。ダウ工業株30種.DJIとS&P総合500種.SPXが5月31日以来の大幅な下落率を記録した。連邦準備理事会(FRB)はこの日、10年半ぶりの利下げを決めたが、パウエル議長の発言を受けて追加利下げ期待が後退した。
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKCN1UQ2RZ
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リアルタイムで見ていましたが、0.25利下げ決定直後は市場は平穏でした。
しかし30分後、パウエル議長の会見が始まると市場は急変。
発言ごとに下落する展開となりました。
おそらくパウエル議長の以下の発言がトリガーになったものと思われます。
「長い利下げサイクルの始まりではなくサイクル半ばの調整だ」
パウエル議長は95・98年の予防的利下げを念頭に、景気拡大局面の踊り場での一時的な利下げだと説明しようとしたようですが、これはあたっていません。
95・98年は失業率の状況から見て雇用回復途中だったのですが、今回は十分に完全雇用に達しています。
つまり踊り場での利下げではなく、天井での利下げということになります。
まあパウエルさんとしては天井なんて言えるわけがないのですが。
その後、「利下げは今回だけではない」「回数についてはコミットしない」などと発言があり、金利見通しを示さなかったことが相場に悪影響を与えたとも言われていますが、どちらにせよ金利引下げが始まれば、相場は終了します。
政策金利を方向転換させるたびに景気拡大・景気後退になるような印象を持ちますが、実際は中央銀行は事後的に政策金利を操作しているだけであり、中央銀行に社会構造を変える力はありません。
景気拡大が終わったから、利下げを開始するのです。
また、アメリカの利下げとともに、日本の株式相場も終わります。
アメリカの政策金利と日経平均株価は非常に強く連動していることがわかります。
95年あたりだけは非連動となっていますが、これはクリントン政権による円高誘導政策があった頃ですね。
ジャパンバッシング・スーパー301条。
あの経済戦争がなければ、95年の日本株はもう少し高かったのかもしれません。
今回の利下げ幅が0.25でも0.5でも、結果は同じだったと思います。
「材料出尽くしで下だろう」
「いや、下げたんだから上だろう」
見方が分かれるので乱高下になりますが、上に行ったとしてもマクロ・シーリングで頭を抑えられ、結局下落だったのではないかと思います。
パウエルさんのせいではありません。
面白いのはこの乱高下に乗じたトランプ大統領の反応です。
これは明日記事にしたいと思います。