米、全輸入品に追加関税を検討
【ワシントン共同】米通商代表部(USTR)は10日、中国からの輸入品約3千億ドル(約33兆円)分に追加関税を課す手続きに入ると発表した。米政権は10日未明に2千億ドルに課す追加関税率を引き上げる措置を発動したばかりで、実行すれば中国からの全輸入品が追加関税の対象になる。なりふり構わぬ強硬措置に出て、中国に構造改革を迫る姿勢を鮮明にした。中国の反発は必至で、対立はさらに深刻化しそうだ。
USTRは「トランプ大統領が残りの中国からの輸入品の税率を上げるよう指示した」と明らかにした。13日に手続きの詳細を公表する。
【共同通信】
https://jp.reuters.com/article/idJP2019051101001014
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連日のようにくるくる変わるトランプ発言で、市場は乱高下になっています。
彼の真意はどこにあるのか?
人の真実は行動に現れる。
人の口は嘘をつく。
今回は中国が合意条件の修正を求めたという背景はありますが、
孟晩舟CFOは開放されず、対中関税は上がり続けている。
”行動の方が真実”という原則に基づけば、トランプ大統領は対中貿易協議をまとめるつもりなどなく、アメリカから中国への一方的な貿易戦争というのが真実の姿ではないかと思います。
トランプ発言で上昇したところは、ついていかないほうが良さそうです。
貿易戦争が景気に悪影響を与えるというのはトランプ大統領も理解しているのでしょう。
そして、”協議継続中”であるとさえ言っておけば、貿易戦争でもBREXITでも株価は保たれる。
それもトランプ大統領は学んだんでしょう。
だから、「株価の下落はFRBのせいだ」「関税は中国が払っている」と喧伝し、株価と支持率を保たせる。
一方で「素晴らしい合意ができる」「合意すれば株価は素晴らしく上がる」と喧伝する。
素晴らしい素晴らしいといい続けながら関税を引き上げ、中国に技術移転禁止関連法案を成立させる。
そういう作戦なんだと思います。
ゆっくり景気後退
実際のところ米中貿易戦争は世界の非効率化であり、これはゆっくりと世界の景気を引き下げます。
もしこのまま金融危機が発生しなければ、おそらく史上初の”ゆっくりした景気後退”を経験するかもしれません。
走行中のバーストではなく、駐車中にタイヤの空気が抜けるようなイメージですね。
一番波形のきれいなTOPIXを見ると、2023年4月にTOPIX670ポイントを目指すペースで下落していっているように見えます。
2018年3月の安値は、ペースから10%下
2018年10月の高値は、ペースから10%上
2018年12月の安値は、ペースから10%下
2019年4月の高値は、ペースから10%上
このリズムが続くのであれば、次はペースから10%下に潜り込むことになります。
景気後退は多くの場合、金融ショックが伴います。
この場合、2-3年で景気後退が終了します。
しかし今回の場合は今の所クラッシュはなく、ゆっくり景気後退に向かうペースに見えます。
今回は5年くらいかけてゆっくり下落し、2009年の安値を割り込んでいくのかもしれません。