米長短金利が12年ぶりに逆転、景気減速を意識

 

[22日 ロイター] - 22日の米債券市場で3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年債の利回りが2007年以来約12年ぶりに逆転した。製造業統計が予想を下回る中、景気の減速が意識されている。

長短金利の逆転は景気後退(リセッション)入りの兆候ともみられる。

 

https://jp.reuters.com/article/usa-bonds-idJPKCN1R321V

 

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アメリカの長短金利が逆転しました。

 

長短金利逆転は、景気判断によく用いられます。

中央銀行が政策金利をいくらにしようと、市場はそれとは別に社会の情勢を読み取り、適正な金利を見積もります。

 

短期金利より長期金利が低い。

今後10年を考えた場合、適正な金利は今より低い。

FEDはこれから政策金利を下げていくことになるだろう。

つまりこれから景気後退に向かうだろう。

少なくとも債券市場参加者は、そう判断しているということになります。

 

米株市場も急落となりました。

 

S&P500は2009年リーマンショックの底と2016年チャイナ・ショックの底を結ぶ一番重要な下支え線への回帰を失敗し、昨年クリスマスショックと今年3/8の下支え線を終値ベースで割り込んで終了しました。

下落幅の大きさから見ても、下落相場の号砲と見て間違いなさそうです。

 

NASDAQの波形はまだ生きています。

あと一回戻り高値更新があるかどうか?

昨年秋の史上最高値は、NASDAQ→S&P500→NYダウの順番でしたが、今回の戻り高値はNYダウ→S&P500→NASDAQの順番かもしれません。

しかしNASDAQがあと一回伸びようが、そこはもう大勢に影響はありません。

株価は釣鐘型なので天井をピンポイントであてるのは難しいのですが、跳ね上がることがあっても、もう誤差の範囲だと思います。

 

先週の指標はまちまちでした。

 

木曜のフィリー指数は非常に強く、コンファレンスボードも昨年9月以来の高水準となり、株価は跳ね上がりました。

同日に前回GDPの大幅下方修正の公算という記事も出ていたのですが、過去のことだからと反応しませんでしたね。

昨年第4四半期の米成長率下方修正の公算、サービス業調査受け

[ワシントン 21日 ロイター] - 米商務省が21日公表した四半期サービス業調査(QSS)は、消費者のサービス支出や知的財産製品の企業投資が従来の想定より少なかった。これを受け、昨年第4・四半期の経済成長率が下方修正される公算が大きくなった。

QSS公表前、エコノミストらの国内総生産(GDP)予想は年率換算で2─2.3%と、前月公表された2.6%増を下回っていた。

JPモルガンのエコノミストらはQSS統計に基づき、28日公表予定の確報値が1.8%に下方修正される可能性を予測した。

https://jp.reuters.com/article/usa-economy-growth-idJPL3N21836J

前回のGDPはアトランタ連銀の事前予測が1.8%。

これに対して発表されたGDPは2.6%と大きな乖離がありました。

結局連銀の見積もりが正しかったということになります。

 

そして金曜のドイツ製造業PMIは弱く、これが決定打となって債券市場は長短金利逆転という判断を下したようです。

 

NY連銀は来年の景気後退確率を24.6%程度と試算してるようですね。

https://www.newyorkfed.org/research/capital_markets/ycfaq.html

 

季節は三寒四温。もうすぐ桜の季節。

寒くなったり暖かくなったりを繰り返しながら、だんだん春めいてきます。

 

一方、景気の方はこれから秋から冬に向かいます。

日本は既に9月に突入していると思いますが、アメリカはまだお盆あたりですかね。

うだるような暑さの中、どこか秋の気配が混ざってきます。

強い経済指標で跳ね上がることもあるでしょうが、ピークは過ぎたと考えるのが妥当だと思います。

 

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