【解説】2回目の米朝首脳会談はなぜ決裂したのか

 

トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による2回目の首脳会談は、いかなる合意も取り決めもなされぬまま幕を閉じた。
アメリカは、北朝鮮との協議は今後も継続する方針で、ハノイ会談の破綻は大きな落胆ではないと強調している。

https://www.bbc.com/japanese/47411196

 

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米朝首脳会談は経済や株価への直接のインパクトはありませんが、米中関係の行方を変化させる可能性があるので記事にしておきます。

 

交渉の経緯を見る限り、秋波を送っているのはアメリカ側のようです。

記事にはこのように書かれています。

しかし北朝鮮国内の雰囲気は和らいだかもしれない。トランプ氏が北朝鮮に対する制裁を強化せず、近い将来、「ぜひとも」解除されるのを見たい、楽しみだと述べたからだ。

似たような表現は、何度もトランプ氏からも出ています。

そして「非核化を急がず」これからも「何度も北朝鮮を訪問する」そうです。

 

本来、アメリカの大統領が小国に足繁く通う事はありません。

言うことを聞かなければ殴りかかる。

中東対応を見ていればわかります。

核を持っているとはいえ、なぜトランプ大統領はこんなにも北朝鮮にご執心なのか?

 

ノーベル平和賞しかありません笑

 

金正恩氏と罵り合いを繰り返し、北朝鮮がミサイル発射や核実験で応酬した2017年夏。

日本では毎日のようにJ-ALARTが鳴っていました。

それがある日を境に気持ち悪いほどおとなしくなり、米朝首脳会談が開かれた。

 

それはちょうどノーベル平和賞の話が出始めた頃と一致します。

ノーベル賞はトランプ氏にとって人生の勲章であるとともに、再選へのツールでもあります。

なんとしてでもノーベル賞を手に入れたいことでしょう。

 

ノーベル平和賞の要件にはこうあります。

国家間の友好関係、軍備の削減・廃止、及び平和会議の開催・推進のために最大・最善の貢献をした人物・団体

トランプ氏について見てみると、

<国家間の友好関係>

これはケチを付けられる可能性があります。金正恩と罵り合ってましたから。

<平和会議の開催・推進>

米朝首脳会談がこれにあたるのか・・微妙ですね。罵りあって関係に火をつけたのを、もとに戻しただけという見方もできます。

<軍備の削減・廃止>

具体的に受賞資格があると証明できるものがあるとすればこれですね。

核施設の廃棄は実現したいところでしょう。

少なくとも核実験やミサイル発射は、10月のノーベル賞まではやめてほしいところではないかと思います。

 

 

中国は?

気持ち悪いといえば中国。

メンツを重んじる国のはずですが、今般の米中関係では全くアメリカの言いなりになってます。

これまでの外交姿勢から見て明らかにおかしい。

対アメリカでも、オバマ氏との会談では「太平洋で世界を分けよう」と言い放ち、オバマ氏も目立った反対はしませんでしたね。

 

中国としてはエキセントリックなトランプ氏より、紳士的なオバマ氏のような大統領の方がやりやすいのかもしれません。

 

もし中国がトランプ降ろしを画策しているならどうするか?

今年一年はおとなしくしておき、来年の大統領選挙で一気に景気を悪化させたほうが得策と考えるかもしれません。

来年態度を豹変させて貿易戦争を激化させ、経済対策を打つ暇もなく大統領選を迎えさせる。

中国も痛手を負いますが、株価は中国政権に直接影響を与えるものではありません。

戦争の対価と考えれば、一年くらいの景気後退コストは何でもないでしょう。

 

そしてノーベル賞を取られると厄介なので、10月までに北朝鮮は再び核実験に挑むかもしれませんね。

中国と北朝鮮が呼応して動く可能性はなくはないと思います。

 

北朝鮮は経済的困窮が伝えられていますが、アメブロに今年のお正月に北朝鮮に旅行した人のブログがあります。

https://ameblo.jp/yuyuyuyuyuh/theme-10074129835.html

 

街の様子も普通ですし、スーパーには商品がたくさんあって賑わっている様子がわかります。

とても大量の餓死者が出ているような国には見えません。

おそらく中国や韓国からたくさんの物資が流れ込んでいるのでしょう。

生活は他国の援助でまかない、国家財政全力で核開発に向かう。

それが北朝鮮の姿なんだと思います。

 

中国も何の見返りもなく北朝鮮を支援しているわけではないと思います。

表向きはアメリカに恭順し、噛みつき役は北朝鮮にやらせる。

そんなところではないかと思います。

 

アメリカにしてみても、先日過去最大の対中貿易赤字を記録したばかりです。

米貿易赤字が10年ぶり高水準-対中は過去最大

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-06/PJBHQF6K50XT01

結果も出ていないのに関税を引き下げるとはとても思えません。

今の市場の見積もりは、楽観が過ぎていると思います。

 

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