米小売売上高、18年12月は1.2%減 9年ぶりの大幅マイナス
[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が14日発表した2018年12月の小売売上高は前月比1.2%減と、米経済が景気後退から抜け出し始めた2009年9月以来9年強ぶりの大幅な減少となった。18年末に経済が急減速したことを示唆した。市場予想は0.2%増だった。
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-retail-idJPKCN1Q32MP
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米小売売上高は非常に悪い結果となりました。
指標発表を受けて、アメリカの成長率見通しも引き下げが相次ぎました。
バークレイズとJPモルガン、米成長予想引き下げ 小売売上高受け
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-jpmorgan-idJPKCN1Q32K4
「クリスマスショック」の株価暴落が影響したことは容易に想像できますが、問題は一時的なものだったのかどうか。
経済指標を見てみると。
総じて良くないですね。
ハードデータは壊滅です。
月末のGDPに影響が出てるかもしれません。
もう少し詳しく見てみると。
2月のNY連銀指数やミシガン消費者信頼感指数などは改善していますね。
米中貿易摩擦の影響でアメリカの大豆農家は破綻が相次ぎましたが、その後の米中貿易協議を経て、中国が前倒しで大豆を買い始めていることなどが影響しているかもしれません。
米中、通商協議で「重要な進展」 大豆500万トン追加購入へ
2019年02月1日
ワシントンで開かれた2日間の通商会議で、中国はアメリカから大豆500万トンを追加購入することを約束した。
https://www.bbc.com/japanese/47084150
あとは政府機関閉鎖の解除も影響してるかもしれませんね。
しかし米中貿易戦争で、米国経済にも影響が出はじめていることは確かです。
大豆農家では破産が相次ぎ、トランプ政権からは補助金が出ています。
アメリカ車の中国での販売は以下の通り。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2018
アメリカ車の関税を15%から40%に引き上げたことにより、アメリカ車の売上は壊滅的な状況になっています。
中国は今や世界一の自動車需要国ですので、影響は計り知れません。
日本車は+10%と漁夫の利を得たように見えますが、景気後退により中国全体の自動車販売数が落ち込んでいるため、今後は前年比プラスを維持できるか微妙なところだと思います。
12/3の米中首脳会談後に中国がアメリカ車の関税を撤廃すると約束したみたいですが、どうなったんでしょうね?
中国、米車の関税撤廃で合意 トランプ氏がツイート
https://jp.wsj.com/articles/SB10435430127981354480604584631623122314690
12月の中国でのアメリカ車の販売速報を見る限り、関税が撤廃された様子はなさそうですが。
仮に中国がアメリカ車の関税撤廃に合意したとしても、その他の分野では関税がかかったまま。
仮に米中がすべての関税を撤廃したとしても、ここまで一年間貿易戦争を行ってきたものは回復できず、株価は全値戻しが精一杯。
そしてもし本当に中国が貿易収支を均衡させるために4000億ドルの買い物をするなら、世界は猛烈なインフレに襲われます。
まあ必要のないものを買うわけなのでどこかに転売するしかないでしょうが、少なくとも世界は一時的に混乱します。
総じて今の株価は高すぎると考えざるを得ません。
そもそも米中貿易協議の進展で株価が上昇していますが、その進展度合いのニュースソースは一人。トランプ大統領の発言のみです。
米中貿易戦争終結は約束されていません。
人の真実は行動に現れる。
人の口は嘘をつく。
ファーウェイCFOは逮捕したまま。
日欧にファーウェイ排除を呼びかけ、各国は呼応している。
米中首脳会談は白紙。
関税はかかったまま。
経済指標には影響が出ている。
もし楽観派の言うように”取引”であるなら、トランプ氏は関税発動をちらつかせるだけで、実際に発動することはなかったでしょう。
相手が血みどろになり、自分の手も怪我しておきながら、「喧嘩じゃないよ」というのは、状況を見誤っていると思います。
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アクセスの多い「宴のあと」シリーズですが、今週はお休みとさせていただきます。
米中貿易協議や非常事態宣言など情勢が流動的なこともあり、足下の情報収集に専念したいのです。
楽しみにしていて下さるみなさん申し訳ありません。
必ず結論まで書きますが、何週かに一度の不定期と思っておいてください。