こちらの記事の続きです
アメリカ株はいつ「崩落」してもおかしくない
アメリカ株は2009年3月に底を打ってから3.3倍も値を上げている。筆者が提唱してきた景気循環調整済み株価収益率「CAPE」(割高感を測る指標)によれば、アメリカ株は世界で最も割高だ。
ロバート・J・シラー : 米イェール大学経済学部教授
https://toyokeizai.net/articles/-/242760
株価は2019年半ばにかけて大きく下落する
「10月11日ザラ場2万4448円ですでに年内高値形成済み→11月までの戻りはあるが10月高値抜けず→2019年央2万円前後」という展開
馬渕 治好 : ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト
https://toyokeizai.net/articles/-/243259
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ようやく「大天井か?」という記事を見かけるようになってきました。
technoteも日経平均は10/2、TOPIXは1/23、S&P500は9/21、Nasdaqは8/30、ダウ工業株は10/3で大天井の可能性が高いと考えてます。
10/2後場の下落で「大天井っぽいな」と思い、周辺に触れ回ってました。
株が下がるのは嬉しくありませんが、10年に一度のターニングポイントかもしれないので記念飲み会も実施。
しかしその頃は賛同者はあまりおらず・・笑
寂しい思いをしてました。
終焉
technoteの考え方はシラー教授の考えに近いです。
人が働いて経済を拡大させているのですから、全員が理想的に働いている現時点が景気の頂点。
マクロ経済的に考えてここまでだと思います。
無軌道なバブルに向かえば別ですが、それはちょっと考えにくいです。
米中貿易戦争後の世界を考えると、世界はデフレに向かうと思います。
トランプ大統領はアップルに対して工場をアメリカに移せと言ってますが、それは出来ないと思います。
工場を移転するとなれば、10年以上の単位で損益を考える必要があります。
トランプ大統領のようなおかしな大統領が何代も続くとは考えにくいです。
振り回されてコスト高のアメリカに工場を移転させるより、トランプ政権の数年間を耐え忍ぶ方が合理的です。
一方、ダラーショップなどに並ぶ日用雑貨や、それほど高い技術を必要としない製品群は、調達先を中国以外に変えることが出来ます。
ポスト中国の東南アジアやインド・ナイジェリアなどに調達先を振り替えるでしょう。
景気後退後はこれらのポスト中国の国々が発展するような気がします。
一方、中国ではアメリカ向け製品が余ることになります。
時代が飛びますが、第一次世界大戦ではヨーロッパは戦場となり、生産設備が破壊され、たくさんの物資が不足しました。
戦火を逃れたアメリカはヨーロッパ向けの生産を一手に引き受け、内陸部まで綿花農場が広がり、鉄道が敷かれ、モータリゼーションが開花しました。
ところが戦争が終わりヨーロッパの生産能力が回復してくると、それまでアメリカがヨーロッパ向けに作っていた製品群は余ることになります。
急に「もういいよ買わないよ」と言われてしまうのです。
そして1929年、大恐慌が始まり、アメリカはデフレに陥ります。
ヨーロッパから「買わないよ」と言われてしまった第一次世界大戦後のアメリカ。
アメリカから「買わないよ」と言われてしまった現在の中国。
規模は違いますが、状況はなんだか似ています。
今回の米中貿易摩擦の結果、中国に加えて東南アジア諸国に工場が増えそうです。
世界の総需要に対して、過剰な製品群が生産されることになると思います。
中国のデフレは日本を始め、世界中に輸出されるでしょう。
アメリカも関税政策で一時的にコスト高になりますが、中国製品を禁輸するわけではないので、元が切り下がりデフレになれば少しずつアメリカにも入って来るでしょう。
短期的なコストプッシュを乗り越えたあとは、世界全体がデフレ気味に推移すると思います。
世界がデフレに向かうのであれば、バブルは起きないと思います。
日米の株価が大天井を迎えたかどうか、数年経たないとわかりませんが、もし高値を更新することがあっても前回の記事で書いたマクロ・シーリングで頭を抑えられるような気がします。
上値はあまり期待できそうにありません。
来週以降の展望
週末の上海総合指数は、日中5%の大陽線となりました。
流石にリバウンド体勢だと思いますが、長期的な下落相場に入ってしまっているので、せいぜい25日線までの戻りではないかと思います。
そしてこのリバウンドを見ても日米の株価の戻りは弱く、来週以降も上海を見ながら緩慢にしか戻らないのではないかという気がします。
仮に緩慢な上昇になった場合、来週末10/26もしくは再来週頭10/29頃、日米とも25日線は下向きに変わりそうです。
もし下向きの25日線にタッチして押し返されるような展開になれば、世界の株価の位相が揃い、急激な下落基調になるかもしれません。
一方、前回書いた①マクロ・シーリングと③修正下支えラインの間で穏やかに推移する可能性もなくはないのですが、そうするとおかしなことが起こります。
各週末のマクロ・シーリングと修正下支えラインの値は以下の通り。
市場が冷静であれば、マクロ・シーリングを超えることはありません。
そして景気後退に向かうのでなければ、修正下支えラインを割ることもありません。
しかし穏やかに推移できるマクロ・シーリングと修正下支えラインの値幅はどんどん小さくなり、12月に入れば10%を割り込みます。
一方、株価は上下動するものであり、時間が経つほど変動幅は広がります。
仮にマクロ・シーリングと修正下支えラインの値幅内で年明けまで過ごせたとすると、過去データから見た最低変動幅も下回ることになります。
VIXが20を超える変動を見せる現状と、明らかに矛盾が生じます。
平均的な変動幅で見ても、年明けには20%を超えます。
10/11安値より20%上、もしくは9/21高値より20%下。
デフレに向かうなら上はない。
上でなければ下。
20%下ならば景気後退しかありません。
リーマン・ショック以降の景気拡大は、終りを迎えるのではないかと思います。
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世界の株価は最後の上昇?⑦
https://ameblo.jp/technote2012/entry-12414804329.html