「今日から米国第一」 トランプ大統領演説全文

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H3S_R20C17A1EB2000/

 

 ロバーツ最高裁長官、カーター大統領、クリントン大統領、ブッシュ大統領、オバマ大統領、米国民の皆さん、そして世界の人々、ありがとう。我々、米国市民はいま、我々の国を再建し、全ての米国民への約束を復活させる国を挙げての偉大な努力に結集した。ともに我々は、この先何年もの米国と世界の道筋を決めることになる。

 我々は課題に直面する。我々は苦難に対峙する。しかし我々は仕事をやり遂げる。我々は4年ごとに、秩序正しく平和的な政権移行のためにこの場に集まる。政権移行の最初から最後までのオバマ大統領夫妻の親切な支援に感謝している。夫妻は素晴らしかった。

 しかし今日の式典は非常に特別な意味を持つ。今日、我々は単に政権から政権へ、または党から党へと権力を移行するのではなく、首都ワシントンからあなた方、米国民に権力を戻すからだ。

 あまりにも長い間、我が国の首都にいる少数の者たちが政府の見返りを獲得し、人々がそのコストを負担してきた。ワシントンは隆盛を極めたが、人々はその富にあずかることはなかった。政治家たちは繁栄したが、雇用は流出し、工場は閉鎖された。エスタブリッシュメント(支配階級)は自らを保護したが、米国民を守らなかった。

 彼らの勝利はあなた方の勝利ではなかった。彼らの成功はあなた方の成功ではなかった。彼らが米国の首都で祝っている間、苦しい生活をする米国中の家族には祝うものなどほとんどなかった。

 それは全て変わる。たった今、ここから。この瞬間はあなた方の瞬間だからだ。あなた方のものだ。今日ここに集った全ての人々、米国中で見守っている全ての人々のものだ。これはあなた方の日だ。あなた方の祝典だ。そしてこのアメリカ合衆国はあなた方の国だ。

 真に重要なのは、どちらの党が政府を支配するかではない。人々が政府を支配しているかだ。2017年1月20日は、人々が再びこの国の支配者になった日として記憶されるだろう。我々の国の忘れられた男女は、もう忘れられることはない。誰もがあなたに耳を傾けている。

 あなた方は数千万人単位で、世界がかつて見たことのないような歴史的な運動に参加するため集まった。この運動の中心にあるのは、国家はその市民に仕えるために存在するという重要な信念だ。米国民は子供たちのための素晴らしい学校、家族のための安全な地域、そして優良な職を望んでいる。これらは高潔な人々の正当で筋の通った要求だ。

 しかしあまりにも多くの米国市民にとって異なる現実が存在する。都心部で貧困から逃れられずにいる母親と子供たち。米国中に墓標のように散在するさび果てた工場。資金はあふれるほどあるのに、若く素晴らしい生徒たちに十分な知識を与えない教育制度。あまりにも多くの生命を奪い、大きな潜在能力を持つ米国に略奪をはたらいてきた犯罪やギャング、麻薬。このアメリカの殺りくはこの場所で、たった今、止まる。

 我々は1つの国民だ。彼らの痛みは我々の痛みだ。彼らの夢は我々の夢だ。そして彼らの成功は我々の成功になる。我々は1つの心、1つの祖国、1つの輝かしい運命を共有する。私が今日おこなった宣誓は、全ての米国民への忠誠の誓いだ。

 何十年にもわたり、我々は米国の産業を犠牲にして外国の産業を富ませてきた。我が国の軍の非常に悲しむべき消耗を許しながら、他国の軍隊を助成してきた。自国の国境を防衛することを拒否しながら、他国の国境を守ってきた。米国のインフラが荒廃と衰退に陥るなか、海外で何兆ドルも費やしてきた。

 米国は他の国を豊かにしたが、我々の富、力、自信は地平線のかなたへ消え去った。1つずつ、工場は閉鎖され、海外移転され、取り残された何百万という米国の労働者たちのことが顧みられることはなかった。中流層の富が奪い取られ、世界中に再分配された。


 しかしそれは過去のことだ。今、我々は未来に目を向けている。今日、ここに集った我々は、新しい布告を発し、全ての街、外国政府、政策決定者に伝える。今日から、新しいビジョンがこの国を支配する。今日から「米国第一主義」を実施する。貿易だろうが、税、移民、外交だろうが、あらゆる決定は、米国の労働者と家族に恩恵をもたらすために行われる。

 我々の製品をつくり、企業を盗み、職を奪うという外国の破壊行為から国境を守らなければならない。(自国産業の)保護こそが素晴らしい繁栄と強さにつながる。私は皆さんのために全力で戦い、決して失望させない。

 米国は再び勝ち始め、かつてないような勝利を収めるだろう。我々は職を取り戻す。国境を取り戻す。富を取り戻す。そして夢を取り戻す。

 このすばらしい国家全域に、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、鉄道をつくり、福祉に頼る生活から人々を抜け出させ、仕事に戻らせる。我々自身の手と労働力でこの国を再建する。我々は「米国製品を買い、米国人を雇う」という簡単な2つのルールに従う。

 我々は世界の国々に友好親善を求めるが、それは全ての国が自己利益を第一に考える権利を持つという理解の上でのことだ。我々の生き方を押しつけない。しかし、皆が従う模範として、それを輝かせる。

 我々は、以前からの同盟を強化するとともに、新しい同盟を構築する。そして過激なイスラム主義テロリズムに対して文明諸国を1つにまとめ、そのような勢力を地球上から完全に撲滅する。政治の根底に置くのは、米国への完全なる忠誠だ。我々は、国家への忠誠を通じて互いへの忠誠を再び見つけ出すだろう。愛国心に従うとき、そこに偏見が入り込む余地はない。

 聖書はこう述べている。「神の民がともに協調して暮らすとき、それはどんなにすばらしく快適なことか」。我々は率直に語り、誠実に違いについて意見を交わすべきだが、常に連帯を追求する必要がある。米国が団結するとき、誰も止めることはできない。

 恐れることはない。我々は守られているし、これからも守られる。偉大なる軍隊や法執行機関が我々を守ってくれる。そして、何よりも、神が守ってくれる。

 最後に、我々は野心的に考える必要がある。より大きな夢を見なくてはいけない。米国では「生きる」とは「努力を続ける」ことを意味する。

 意見をいうだけで、行動を起こさない政治家にはもう容赦しない。文句をいい続け、それが仕事になっているような政治家たちだ。中身のない対話の時代の終わりだ。行動を起こす時が来た。誰にも「できるはずがない」と指示されるいわれはない。米国人の心、闘志、精神が乗り越えられない課題は存在しない。我々は失敗しない。米国は再び栄え、豊かになる。

 新しい時代の扉が開こうとしている。宇宙が神秘の場所ではなくなり、地球は惨めな病疫から解放される。次世代のエネルギーや産業、テクノロジーが実用化される。新たな国家の尊厳が我々の魂を鼓舞し、目線を上げさせ、我々の分断を癒やす。

 「肌の色にかかわらず、どんな人の体にも愛国者という赤い血が流れている」という古くから伝わる軍人の知恵を思い出そう。全ての人が公平に栄光ある自由を謳歌し、同じ偉大な米国旗に敬礼する。デトロイトの都心の真ん中で生まれた子供も、ネブラスカの大草原で生まれた子供も、同じ夜空を見上げ、同じ希望で胸を満たし、全能の神のご加護を受けている。

 全ての米国人に告ぐ。近い場所でも、遠くの場所でも関係ない。大都市に住んでいようが、小さい街に住んでいようが関係ない。山脈から山脈、東海岸から西海岸まで、全ての国民にこの言葉を聞いてほしい。

 あなた方が無視されることは、もう二度とない。あなた方の声、希望、夢が、米国の未来を形作る。未来への道を導いてくれるのは、あなた方の勇気、良心、そして愛だ。

 ともに米国を再び強くしよう。再び豊かにしよう。再び誇りの持てる国にしよう。再び安全な国にしよう。そして、そうだ、ともに米国を再び偉大な国にしよう。

 ありがとう。あなた方に神のご加護を。米国に神のご加護を。ありがとう。米国に神のご加護を。(米州総局)

 

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technoteはリアルタイムで見ていましたが、途中から呆然として聞いていたのを覚えています。

これがアメリカ大統領だろうか?

 

説明するまでもありません。

全文を読めば誰でも、この大統領が思慮の浅い、猜疑心の強い、誤解と偏見に満ちた歪んだ世界観を持つ、精神年齢の低い小人物だということがわかると思います。

 

アメリカの大統領は、世界の頂点に君臨する権力者です。

もちろん誰にでもなれるものではありません。

その就任演説は歴史に残ります。

その名に恥じぬよう、自分の理想と理念を、全力で表現します。

 

トランプ大統領も例外ではありません。

しかし全力を出して、これなのです。

政治や経済のことには疎く、自分の不遇を社会のせいにし、ネガティヴな妄想にとらわれ、トンチンカンなくだをまく立ち飲み屋の酔っ払いと、考えてることはそれほど変わりません。

 

「トランプ大統領は賢い人だから、ち密な計算があってやってるんだ」「選挙戦までの暴言はポーズであって、実際に大統領になったらしっかりやるだろう」などいう話がまことしやかに流れてきますが、おそらくそれはありません。

むしろ逆の意味で大きく裏切られると思います。

 

就任式に集まった人数についても、メディアがウソをついているという妄想にとらわれているようです。

この写真を見ても、大統領報道官が「就任式の観衆としては文句なく過去最大」と発言するくらいですから、今までの常識ではありえません。

今後はホワイトハウス周辺から正しい情報が出ることは、期待しない方がいいでしょう。

http://www.bbc.com/japanese/38709628

 

ヤバいのが大統領になってしまったなあという気がします。

 

 

しかし、社会を作っているのは大統領ではありません。

誰が大統領になろうが、人々は会社に行きます。

自分の出世のため、家族の幸せのため、全力で働きます。

環境が変わっても、人々は対応するでしょう。

人間の生活のすべてのものは、会社から生み出されます。

それはこれからも変わりません。

 

知的と評されたオバマ大統領で人々の生活が良くなったかというと、それも疑問です。

金融政策ではノーベル賞を取るような経済学者が、経済の根底の理解を間違えて、リフレなどというでたらめをやらかしたあげく、間違ってましたというありさまです。

 

しかし100年に一度と言われたリーマンショックと世界金融危機は、結局は通常の景気後退でした。

そしてでたらめな量的緩和という実験をやらかしても、今のところ通常の景気回復となんら変わりはありません。

誰がリーダーになっても、それほど期待することも悲観することもないんじゃないかなと思います。

 

これまでと同じく、数年~十数年に一度の景気循環を繰り返しながら、世の中は進んでいくのでしょう。

ヒラリーでもトランプでも、きっとそれは変わらないんだと思います。

 

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