米GDP第3四半期は2年ぶりの高い伸び、輸出好調
[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が公表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比2.9%増と、2014年第3・四半期以来2年ぶりの高水準だった。伸びは第2・四半期の1.4%から加速し、市場予想の2.5%も上回った。
http://jp.reuters.com/article/us-gdp-q3-flash-idJPKCN12S1LU?sp=true
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第3四半期の米GDPはサプライズと言っていい好結果となりました。
連銀の予想値が2.1%。直前に上方修正された市場予想の2.6%をさらに上回る2.9%でした。
しかし市場は乱高下しただけで上伸せず、12月の利上げ確率も78%から83%に一旦上昇した後、74%まで低下しました。
http://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html
後半へたりこんでしまったのはヒラリー候補のメール問題が蒸し返されたことが原因のようですので、GDPとは直接関係がありません。
しかし今回のGDPは本当に好結果だったのでしょうか?
GDPが上方修正となった要因は2つ。
在庫と輸出の増加です。
在庫についてはインフレ傾向になってきたこともあり、企業が在庫投資を積み増したことが原因とみられます。
第1四半期にアップルの減産があったように、企業は今年に入り在庫投資を控えめにしてきており、その調整の範囲内と思われます。
そして輸出に関しては、その伸びの大半は大豆であり、これは南米の不作による一時的な要因と考えられます。
好況で外需が伸びたのなら良いのですが、そういうわけではなさそうです。
そして個人消費は逆に伸びが低下しています。
自動車は伸びましたが販促キャンペーンと金利先高観を見据えた駆け込み需要であり、需要の先食いはすでに始まっています。
先週「景気と株価の現状は?」でも書きましたが、世界中ゼロ金利と完全雇用を達成しているため、マクロ経済では投資も需要もこれ以上伸びる余地がありません。
最初は2.9%という数字に飛びつく人が多いような気がしますが、中を見ていくとそうでもないという考えが、時間が経つにつれて広がってくるかもしれません。
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