今年から山の日が加わり、日本の年間祝日日数は16日になりました。
山の日って・・必要?

日本の祝日数は世界でもトップクラスで、世界ランキング2位の祝日大国です。
1位はインドとコロンビアの18日。
http://www.mercer.co.jp/newsroom/2014-global-public-holiday-entitlements.html

天皇陛下が退位の意向を示されていて、現在の天皇誕生日も祝日として残るのかもしれません。
日本はそのうち祝日数世界一になるかもしれませんね。

ちなみに日米を比べると、日本は祝日プラス有給消化日数で28日、アメリカは21日になるようです。日本の方が一週間以上お休みが多いですね。
http://r25.jp/business/00046547/

株式市場にもそれは表れていて、2015年度のNY市場取引日数は252日、東京市場は244日となりました。
祝日があると取引日が不連続になるので、やりづらい面もあります。

祝日が1日増えることにより、今年から約0.4%労働日数が減り、GDPにも影響が出るでしょう。
その分遊びに行って消費すればいいのですが、この暑い中ぽつんと一日休日が増えても、怠惰に過ごして終わる人が多いんじゃないかなとも思います。

アメリカは州によって祝日が追加されたり、クリスマス休暇があったり。また日本もゴールデンウイークやお盆休み、正月休みなど、実質的に稼働していない期間があります。
しかし日本人がだんだん働かなくなっていることは事実のようです。

workingHour
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/koyo/131031/item2.pdf

年間総労働時間は1998年ごろを境に、日米逆転したようです。
日本はサービス残業が多いなどと言われていますが、今時タイムカードを切ってから違法残業させる企業がどれほどあるのか。
1分刻みで残業をつける企業も増えており、言われているほど隠れ労働時間が多いとも思えません。
働きアリと言われた日本人の労働スタイルは、過去のものになってしまったように思います。

労働時間が少なくなってもその分効率化していればよいのですが、よく言われているとおり日本の労働生産性は先進国では最下位です。

seisansei

http://www.jpc-net.jp/annual_trend/

ギリシャにも抜かれ、先進国とはいいがたい水準に落ち込んでいます。
日本人自体が「どんくさく」なったのかというとそうでもなく、高齢化が大きな影響を及ぼしているものと思います。
またIT教育の遅れや、ゆとり教育の影響が本格的に出てくるのもこれからです。
先行きも楽観できません。

「働かず」「どんくさい」のであれば、生活水準の低下は免れません。

以前「マイナス金利の先にあるもの1」でも書きましたが、50インチの4Kテレビを購入するのに、アメリカ人は33時間の労働で手に入れることができますが、日本人は150時間の労働を必要とします。



日米の生産性の差は歴然です。

さらに生涯の労働時間を考えると、日本は65歳で年金が支給され、リタイア生活に入ります。
一方アメリカは66歳支給開始。70歳方向へ段階的に遅らせるよう計画されています。
平均寿命を考えると、日本の方が7年程度寿命が長いのに、リタイアは日本の方が早いのです。

日本人の平均寿命は84歳、アメリカ人は77歳。仮に大卒から働くと試算すると。
日本人は22歳から65歳まで43年間働く。
アメリカ人は22歳から66歳まで44年間働く。

日本人は人生の43÷84=51%を働いて過ごす。
アメリカ人は人生の44÷77=57%を働いて過ごす。
現行では日本の厚生年金は61歳支給開始なので、人生の46%しか働いていません。

日本の方が年間の労働時間が短く、どんくさく、生涯で働く期間も短いというのが現状です。
日本はワークライフバランスを崩してしまっているようです。

そして働いて税を納めるのではなく、国債を発行し、将来世代への負担を増大させています。
お金を増やして何かが変わるはずがありません。

経済とは人間の行動量であり、付加価値をどれほど増やせるかで生活水準が変わります。
日本は労働の質・量ともに低下傾向にあります。これでは株は上がりません。
日銀は質・量の両側面で緩和すると言っていますが、向上させなくてはいけないのはお金ではなく、労働の質と量なのです。

金融政策に頼り切ったアベノミクスは、実際のところ「成長」ということに関しては、この4年間何もしていないのと同じです。
経済とは人間の行動量。
基本に立ち返った政策に舵を切ってほしいと思います。

読者登録してね 

↓他のブログも読んでみる?