前回「マイナス金利の先にあるもの9 - なぜ人口が減るのか?」では、人口減少の原因は世代会計にあるということを書きました。
日本の家計は世界でも有数の個人金融資産を誇っていますが、その家計の中では大きく偏在しています。
米国では上位1%の金持ちが富の半分を所有するなどと言われますが、日本の場合は高齢者という多数の存在が薄く広くお金を持ちすぎていて、若い世代はお金がなく、婚姻に支障をきたし、人口減少につながっています。
世代会計とは聞きなれない言葉ですが、世代間の格差を表す指標です。
どこの国でも国民は税金を支払い、行政サービスを受け取っています。
税金には社会保険料も含まれます。
行政サービスには教育・健康保険・年金なども含まれます。
この負担と受益の差を年代ごとに集計したのが世代会計です。
世代会計の国際比較
世代会計についてはその推計方法は難しく、様々な方法が検討されています。
単純に支払ったり受け取ったりする額だけでなく、利子率・インフレ率・人口動態の将来推定など、様々な要素を考慮する必要があります。
そして国際比較についてはあまり新しい資料が見当たりませんでしたが、比較的まとまっている以下の資料を基にすると
世代会計の国際比較―日本銀行金融研究所,1998
http://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk17-6-1.pdf
世代間不均衡上位国(1995年の0歳と、その将来世代の負担格差)
日本 337.8%
イタリア 223.8%
アメリカ 159.0%
ドイツ 156.1%
日本は若い世代の負担が大きすぎることはお話ししましたが、さらにその将来の世代は、1995年の0歳=今の21歳の若者の4.38倍も負担しなければいけないことになります。
それぞれの国の人口増加率は
日本 -0.2%
イタリア -0.3%
アメリカ +0.6%
ドイツ -0.3%
移民の国アメリカ以外は、いずれも人口減少国であることがわかります。
人口減少国だから将来負担が大きいのか、若い世代の負担増大が人口を減少させてるのか?
おそらく両輪がかみ合って、スパイラルになっているのではないかと思います。
日本の世代会計
これも古い資料ですが、平成13年の経済財政白書によれば、将来世代と高齢者世代の格差は9700万円に上ります。
日本の家計は世界でも有数の個人金融資産を誇っていますが、その家計の中では大きく偏在しています。
米国では上位1%の金持ちが富の半分を所有するなどと言われますが、日本の場合は高齢者という多数の存在が薄く広くお金を持ちすぎていて、若い世代はお金がなく、婚姻に支障をきたし、人口減少につながっています。
世代会計とは聞きなれない言葉ですが、世代間の格差を表す指標です。
どこの国でも国民は税金を支払い、行政サービスを受け取っています。
税金には社会保険料も含まれます。
行政サービスには教育・健康保険・年金なども含まれます。
この負担と受益の差を年代ごとに集計したのが世代会計です。
世代会計の国際比較
世代会計についてはその推計方法は難しく、様々な方法が検討されています。
単純に支払ったり受け取ったりする額だけでなく、利子率・インフレ率・人口動態の将来推定など、様々な要素を考慮する必要があります。
そして国際比較についてはあまり新しい資料が見当たりませんでしたが、比較的まとまっている以下の資料を基にすると
世代会計の国際比較―日本銀行金融研究所,1998
http://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk17-6-1.pdf
世代間不均衡上位国(1995年の0歳と、その将来世代の負担格差)
日本 337.8%
イタリア 223.8%
アメリカ 159.0%
ドイツ 156.1%
日本は若い世代の負担が大きすぎることはお話ししましたが、さらにその将来の世代は、1995年の0歳=今の21歳の若者の4.38倍も負担しなければいけないことになります。
それぞれの国の人口増加率は
日本 -0.2%
イタリア -0.3%
アメリカ +0.6%
ドイツ -0.3%
移民の国アメリカ以外は、いずれも人口減少国であることがわかります。
人口減少国だから将来負担が大きいのか、若い世代の負担増大が人口を減少させてるのか?
おそらく両輪がかみ合って、スパイラルになっているのではないかと思います。
日本の世代会計
これも古い資料ですが、平成13年の経済財政白書によれば、将来世代と高齢者世代の格差は9700万円に上ります。
白書ですので、甘い推計です。
ショッキングな数字にならないよう、1億円以内に収めたのでしょう。
何年か前に発表された推計では、世代格差は1億2千万を超えているようです。
生涯賃金の中央値が2億円程度で賃金が低下傾向にあることから、どう考えても維持は不可能です。
個人金融資産は本当か?
世界3位の莫大な個人金融資産の裏で、このような将来の負担が隠れていることを考えれば、この資産に本当に意味があるのか、真正な価値があるのか怪しくなります。
日本人は本当に金持ちなのか。
個人金融資産はどうやって作られたのか。
なぜ将来の負担が莫大になったのか。
次回は日本の錬金術を考えてみたいと思います。