〔マーケットアイ〕外為:ドル112円前半、GPIFの15年度運用実績は7月末に発表予定

[東京 31日 ロイター] -
<14:51> ドル112円前半、GPIFの15年度運用実績は7月末に発表予定
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、2016年度計画を公表するとともに、15年度の管理及び運用実績の状況(運用資産全体の状況、運用資産ごとの状況及び各運用受託機関等の状況など)を7月29日にホームページなどで公開するとした。
市場では、通年より遅い運用実績の公開について「1―3月の運用実績が悪いことが予想されるので、選挙をにらんだ政治的な配慮があったのではないか」(国内銀)との声が出ていた。

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N17327G

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参議院選挙は7/10頃。GPIFの3月末の運用成績が公表されるのは、通常はであれば7月頭。
3月末の運用成績が悪かったために、選挙への影響を恐れて、通常は7月頭に行われる運用成績の公表を、7月末に延期した。

これはちょっとこれはまずいですね。
隠しても隠さなくても、結果は同じ。
むしろ疑心暗鬼が増幅することで、相場には悪影響だと思います。
外国人はこういうのは特に嫌いますからね。

この報道が流れたのが、3/31の14:50頃。
そして当日の株価は、報道を受けて急落しました。

20160331DT


おそらく3/31の運用成績を良くするために、GPIFはぎりぎりまで買い支えていたのでしょう。
最低限2015年9月末の日経平均17388円は上回りたかったのではなかったかと思います。
そして力尽きて、運用成績の公表を後ろ倒しにせざるを得なかった。
そんな様子が見て取れます。

以前「
2016/3/17 海外投資家が過去最大の日本株売り」で書きましたが、ETFの購入については、GPIF・日銀ともに投資部門別売買状況の「証券自己」に分類されている可能性があります。

InvesterType20160331

昨年9月と同様に、今年の3月も大きな外国人の売りが観測されました。
そしてそれを買い支えるような証券自己の買い。
その翌週には、売りに対して買いが存在しないという歪なパターンになっています。

大きな外国人の売りに対して、ETFの買いで対抗する。
注文を受けた証券会社は、ETF組成のための現物株式を市場で買う。
その翌週にはETFの受け渡しを市場外で行う。
証券会社がETF組成のために運用会社に渡す現物株には、市場で新たに買ったもの以外に、証券会社がもともともともと持っていた株が含まれている。

おそらくそのようなからくりで、3月も昨年9月と同じパターンが出てきたのだと思います。
公表はされていないので推測ですが、金額の大きさからみて買い主体はGPIFでしょう。

GPIFの運用成績の悪化についてはいろいろ言われていますが、現時点ではトータルでまだプラスのはずです。
しかし今後の株価動向によっては、年金資金に大きな損失が発生し、社会問題化するかもしれません。

それ以上に、GPIFが力尽きたということが衝撃です。
アベノミクスに乗って日本株を買っていた人たちの目論見の中には、政府がなりふり構わず株価を押し上げるんだという「政府保証」があったはずです。
しかし今回、日銀・GPIF連合は、株価を支えることはできませんでした。

この不自然なチャート形状は覚えておいた方がいいと思います。

GPIF_PKO

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