ユーロ急反発、ECB総裁が追加利下げないと示唆

[ロンドン 10日 ロイター] - 10日のロンドン外為市場で、ユーロが対ドルで3週間ぶり高値に上昇した。欧州中央銀行(ECB)が一連の追加緩和策を発表した直後は反射的に売られたが、ドラギ総裁が追加利下げの可能性は低いとの考えを示したことで切り返した。

http://jp.reuters.com/article/markets-ecb-euro-high-idJPKCN0WC200

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ECBが市場予想を大きく上回る追加緩和策を発表しました。
しかしマーケットは、発表直後は好感して大幅なユーロ安株高になったものの、その後は一転して更に大きなユーロ高株安になって取引を終えました。

・政策金利は予想0.05%に対し0.00% (これまでは0.05%) *サプライズ
・上限政策金利限界貸出金利は予想0.30%に対し0.25% (これまでは0.30%) *サプライズ
・下限政策金利中銀預金金利は予想-0.40%に対し-0.40% (これまでは-0.30%)
資産買入れプログラムは800億ユーロへ拡大 実施は4月 *サプライズ
投資適格社債(金融債を除く)を資産買入れプログラムの対象に含める *サプライズ
・TLTRO2を6月から開始 *サプライズ

これだけ用意して市場が失望するとは、ドラギ総裁も思っていなかったでしょう。
※発表前後のチャート画像をとっておいたのですが、PC不調によりアップできません。後日アップします。

ドラギ総裁が会見で今後の追加緩和について「必要とは考えていない」と発言したことが失望の引き金になったという見方ですが、おそらくそうではありません。
リフレーション政策そのものの効果について疑問を持つ人が、現時点で過半数になったということだと思います。

政府が好き勝手に借金をして中央銀行が国債を買い取り、そのお金で物が買えたり投資ができたらえらいことです。
しかし実際にはそのような動きは起こりませんでした。
中央銀行がお金を積んではみたものの、誰もそれを使おうとはしませんでした。

考えて見れば当たり前のことかもしれません。
お金が足りなくて何かができないのであれば、そこにお金を増やせば経済を刺激しますが、使い道がないのにお金を増やしても誰も行動しません。
異常低金利により本来淘汰されてしまう企業が生き残り、供給過剰でデフレになるだけです。

使われないお金は存在しないのと同じ。
そういう視点が、リフレーション政策には欠如しています。

2009年当時「japanification」「japanization」という言葉が盛んに取り沙汰され、「日本のようなデフレになってはならない」という警鐘が鳴らされていましたが、全く同じ経路を辿ってしまったように見えます。