大きな下落に見舞われた年明けの日経平均。
週末は1000円近い上昇でDeadCatBounceの様相ですが、アベノミクスは終わってしまったんじゃないのか?という疑問が、もう誰の胸にも浮かんでいるのではないでしょうか?

昨年の20953円で日経平均が大天井をうち、ピークアウトしてしまった確率は、手元の計算では現在58%くらいと思われます。
この確率は15900円を割り込むと急速に上昇し、14800円を割り込むとほぼ確定と言っていい状況になります。

どうやって計算しているのかというと、ベイズ推定という方法を使っています。


本のご紹介-シグナル&ノイズ

ベイズ推定というのはあまり聞き慣れない人も多いと思いますが、18世紀の牧師トーマス・ベイズさんという人が考案した条件付き確率の定理を応用したものです。

いまだに学校の教科書には出てこず、「ボクの考えた数学」的なキワモノ扱いされている面がありますが、なかなかシンプルで使い勝手の良い方法だと思います。

ベイズ推定を知らなくても楽しく読める本があるので、以下にご紹介したいと思います。

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」/日経BP社
¥2,592
Amazon.co.jp
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ネイト・シルバー - wikipedia
アメリカ合衆国の統計学者。
2009年4月にはタイム誌が毎年発表する「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。

2008年合衆国大統領選挙では合衆国50州のうち49州における勝者を正確に予測し、同年の上院選挙(英語版)では35人の勝者全員を正確に予測した。
2012年合衆国大統領選挙では全50州とコロンビア特別区における勝者を正確に予測した。

2012年9月27日に出版されたシルバーの著書『The Signal and the Noise』(ISBN 978-1594204111)はAmazon.comの2012年度ノンフィクション部門ベストセラー書籍の一つとなった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

スゴイ人ですね。

この本の中で9.11を例にしたベイズ推定の方法が紹介されています。
<事前確率>
X: 1機目がワールドトレードセンターに衝突した場合に、それがテロである確率-38%
<事後確率>
Y: テロリストがワールドトレードセンターを狙っていて、飛行機が衝突する確率-100%
Z: テロでもないのに飛行機が衝突する確率-0.0008%

2機目が衝突したという事実が加わったことにより、テロが起こっている確率はXY/(XY+(1-X)Z)=99.99%と推定されます。

あからさまなアフィリエイトですいません笑
初アフィなので許してください。
いえ、お金がほしいわけじゃなくて、こんな辺境個人ブログでアフィ収入が発生するのかどうか、ちょっと実験してみたいんです。

アフィが嫌いだけど興味があるという方は、アフィ外で検索してみてください。
ベストセラーなので、図書館にもあるかもしれません。
9.11以外にも、サブプライムの話、天気予報・地震・インフルエンザ・選挙予測・経済予測など面白い例がたくさん載ってます。


確率はいつも変化する

technoteは確率は一定ではなく、新しい情報が加わるごとに変化するものだと考えています。
コインやサイコロはいつも一定ですが、これは新しい情報が加わることのない特殊な例だと思います。

袋の中から玉を取り出す場合に
・袋の中にもともと赤球と白球が10こずつ入っていたことを知ってる人
・その中から既に1個取り出されて、19個になってることを知っている人
・その取り出された1個が白球であることを知っている人
袋の中の事実は同じでも、それぞれ確率が違います。
確率は情報によって変わるものだと思います。

昨年のチャイナショックの際、ピークアウトしてしまった確率は、手元計算で13%くらいでした。
しかしそこから半年余りで2回めの大きな下落が来たことにより、既にピークアウトしてしまった確率は50%を超えてしまいました。

しかしこれで確定したわけではありません。
新しい情報が加われば、状況が変われば、確率はまたひっくり返ります。
来週のFOMC・日銀金融政策決定会合次第では、まだチャンスはあると思います。

日銀はよほど大きなものを出さないと、ひっくり返すのは難しいでしょうね。
黒田さんの強気の説明は空々しく、中国の指標と同じくらい信用を失ってるように思います。
ETF10倍増くらいのクレイジーなものが出ないと効果はないでしょう。
出たら出たで、将来もっとひどいことが起こりそうですが。

  読者登録してね