Bernanke

バーナンキ米FRB議長の会見要旨


[ワシントン 18日 ロイター] - バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に行った会見の要旨は以下の通り。


http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE9BH03920131219?sp=true



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大方の予想に反して、12/18のFOMCにおいてFRBが量的金融緩和の縮小(テーパリング)を決定しました。

市場はサプライズに沸き、為替・株ともに急騰しました。


会見要旨を抜粋すると以下の通りです


◆インフレ率について

インフレ率は段階的に2%の水準に戻ると予想するが、現状では望ましい水準には戻っておらず、FOMCの長期目標である2%を下回り続けている。

回復には運とすぐれた政策が必要であり、FRBは今後も注意深く監視を続け、必要な行動を取るが、インフレ率を迅速に目標水準に引き上げるのは困難だ

◆失業率について

失業は高止まりしており、回復は明らかに完全な状態からは程遠く、労働参加率も低下している。

失業率は労働市場に関する優れた指標だが、6.5%の水準に達したら、採用、離職状況や長期失業率、賃金などを考慮したい。別の具体的な失業率基準を設定することはできない。

基準を超えても自動的に利上げにつながるわけではない。

FOMC参加者の多くが失業率は2014年末までに6.5%の水準に低下すると見込んでいる。

失業率が6.5%を下回った後もかなりの間、低金利を維持する方針を示し、ガイダンスを明確にした。


◆今後の緩和縮小のペース

インフレ、および継続的な雇用増加の面で前進が見られれば、おそらく各会合で慎重な縮小を続けると予想する。来年半ばではなく、年終盤までかかるだろう。

何らかの理由で経済が減速、もしくは経済状況に失望するような事態になれば、数回の会合で縮小を見送ることも可能だ。

逆に景気がかなり勢いを増した場合、縮小ペースを速めることもできる。だが2014年の大半において今回のような慎重な縮小を行うと予想する。


2009年3月のQE1以降、4年9ヶ月にわたり拡大を続けてきた米金融緩和は山場を超え、今後は緩和ペースが縮小することになります。

バーナンキ議長の会見によれば、米金融政策は


2009年3月-2013年12月 緩和拡大期(QE1-QE3)

2013年12月-2014年12月 緩和縮小期

2014年12月-2015年X月 緩和終了・低金利継続

2015年X月-        政策金利引き上げ


このようなペースで推移すると予想されます。

FRBがこのようなグランドデザインで金融政策を行った場合、株価はどのように推移するのでしょうか?



速水・福井日銀との比較


今回のような大規模な量的金融緩和は過去に例があまり無く、比較が難しいのですが、2001年~2006年に日銀が行った量的金融緩和と比較してみます。

このときのスケジュールは


2001年3月-2006年3月 量的金融緩和実施

2006年3月-2006年7月 低金利維持

2006年7月-2007年1月 政策金利引き上げ


このときのスケジュールと株価を比較すると、量的緩和開始当初数年間はITバブル崩壊・不良債権処理などで株価は軟調に推移しましたが、りそなへの公的資金注入などで2003年4月から株価は上昇に転じます。


その後小泉構造改革等もあり、2004年の株価停滞を挟んで、量的金融緩和打ち切りがささやかれる2006年初頭まで株価は大きな上昇を続けました。


量的金融緩和は2006年3月に打ち切られましたが、その後も日銀は低金利を維持。株価も停滞しましたが大きくは下落しませんでした。


その後2006年7月と2007年1月の2回にわたり政策金利が引き上げられましたが、その2回目の政策金利引き上げの直後、2007年2月に日経平均株価は18300円の天井をつけ、下落に転じました。


このスケジュールを今回にあてはめると、少なくともFRBが政策金利を引き上げ始める2015年X月ごろまでは、米株は停滞もしくは穏やかな上昇を続けるという可能性が高そうです。


ちょうど日興アセットさんからきれいにまとまった資料が出ていたので、株価チャートとにらめっこしてみるのも面白いと思います。


QE-金利

http://www.nikkoam.com/files/fund-academy/data-watch/pdf/chartslist.pdf

 


日本の株価は?



仮に米株が停滞となった場合、支えを失った日本株が下落に転じる可能性は否定できません。

以前の記事(2013/12/10 ボルカールール承認とJPモルガンの先物市場復帰 )で書いたとおり、日本株は歴史的な高値にいます。


一方でここを超えて行ければさらに大きな上昇となる可能性もあります。

欧米の株価推移を見ると、このまま大バブルとなってしまう確率は低くは無いでしょう。


あわてる必要はありません。

ここから買うのであれば、十分に上離れたことを確認してからでも遅くないと思います。

大きな分岐点ですので方向確認は怠らないようにしたいですね。



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