(関連記事:年末相場はいつから?2 )
(関連記事:日本株はどこまで下がる? 2 )
例年通りの年末相場。
強気相場が続いていますが、こんなときこそ警戒をという内容で記事を書こうと思います。
今年の日本株は5/23に高値をつけ、暴落しました。
5/23という日付は、みなさん嫌でも覚えていると思います。
先週11/23はそこから半年。
制度信用は期日を迎えましたが、高値は奪回できませんでした。
半年間高値更新なし≒下落相場?
過去の上昇相場を調べてみると、上昇期間途中に半年以上もたつくことは極めて少ないことがわかります。
近年の例をとってみると
◆2009年3月-2010年4月 世界金融危機リバウンド
高値更新できなかった期間は最大85営業日
◆2005年8月-2007年2月 小泉バブル後期
高値更新できなかった期間は最大196営業日
◆2003年4月-2004年4月 小泉バブル前期
高値更新できなかった期間は最大85営業日
◆1998年10月-2000年3月 ITバブル
高値更新できなかった期間は最大78営業日
◆1987年10月-1989年12月 ブラックマンデー~平成バブル
高値更新できなかった期間は最大129営業日
平成バブルの時は、ブラックマンデー前の高値を半年経過寸前で更新しました。
(10/14の高値を4/7に更新)
それに対して今回は5/23から半年が過ぎ、133営業日経った現在も高値更新できていません。
小泉バブル後期の特徴
こうしてみると小泉バブル後期だけ特異ですね。
2006年4月7日に日経平均は17563円の高値をつけた後、6/14の14046円まで約20%下落。
そこから戻しますが半年かかっても高値更新できず、10/24に16855円で一旦頭打ち。
1/25に再チャレンジでようやく17605円をつけて高値更新しますが、更新した瞬間に下落。
1ヵ月後の2/26に18300円の天井をつけます。
半年以上かけて高値更新していますが、ほとんど伸びずにバブル崩壊となっています。
高値から20%の急落とそこからの回復など、今回の相場とも類似点があります。
小泉バブル前期と後期はひとまとめにされることが多いのですが、前期は福井日銀の量的金融緩和とりそな銀行への公的資金注入による金融相場。後期は郵政選挙を発端とする政局相場ですので、別の経済イベントと考えたほうがいいかもしれません。
1987年型?2007年型?
また一方で、今回の相場はブラックマンデーの時に値動きが似ているという指摘もあります。
日本株、ブラックマンデーとの類似説を探る
http://www.nikkei.com/markets/column/scramble.aspx?g=DGXNMSGD1908B_19112013000000
私も以前にブラックマンデーに似てるという記事を書きました。
ブラックマンデーを参考にするなら上昇ですが、小泉バブル後期のパターンだと頭打ちです。
はたしてどちらのパターンなのか?
金融緩和継続中で株価が下落に転じるとも思えませんが、半年経っても高値を超えないところから見れば、後者であっても不思議ではありません。
平成バブル以前の例
1949年の東証再開以降の長い歴史の中でも、半年以上高値が更新できなかったのは数えるほどしかありません。
◆1949年9月-1952年1月 ドッジデフレ
◆1953年2月-1956年4月 スターリンショック
◆1957年5月-1958年10月 神武景気終了
◆1961年7月-1968年9月 岩戸景気終了と証券不況
◆1970年4月-1971年6月 万博景気終了
◆1973年1月-1978年3月 変動相場移行とオイルショック
◆1981年8月-1982年12月 第二次オイルショック
これですべてです。
いずれも経済史の教科書に出てくるようなビッグイベントであり、大きな下落に見舞われています。
アゲアゲの雰囲気に水を差すつもりはありません。
実際に、この年末相場の途中でいきなり下落相場になるということも考えにくいです。
しかしながら今回、半年間高値を抜けなかったということもまた、厳然とした事実ではあります。
「半年間高値更新なし」は相場終了のサイン。
2004年-2005年のようにもみ合いになり、下落に向かわないこともありますが、1949年の東証再開以降例外なく一相場終わりのサインです。
警戒心は解かない方がいいと思います。
↓他のブログも探してみる?