(前回記事:年末相場はいつから? )
先週の日経平均は4年半ぶりの大陽線となり、年末相場の号砲が鳴った感があります。
そこで今回は、「年末相場で株はどこまで上昇するか?」というテーマで考えてみたいと思います。
一波動の上昇は20%
過去の経験則から言えば、穏やかな上昇局面での上昇波動は、一波動あたりだいたい20-25%程度の上昇が期待できます。
2009年の世界金融危機後のリバウンドや、アベノミクスでは桁違いに伸びて行きましたが、これは数年に一度の大相場の場合であり、通常は20%程度の場合が多いです。
ここ5年の日経平均を例にとって見ても
◆2009/3/10-2009/8/31 金融危機リバウンド初動
7021→10767 +53.3%
◆2009/11/27-2010/1/15
9076→10982 +21.0%
◆2010/9/1-2011/2/17
8796→10892 +23.8%
◆2011/11/25-2012/3/27
8136→10255 +26.0%
◆2012/11/13-2013/5/23 アベノミクス初動
8619→15943 +85.0%
◆2013/6/13-2013/7/19
12416→14953 +20.4%
金融危機リバウンドやアベノミクスを除いて、概ね20%程度の上昇であることがわかると思います。
今回の上昇は?
どこを基点に取るかによって、2種類のシナリオになると思います。
直近では2013/7/19に一波動終わっているので、この後の最安値は8/28の13188円。
これを基点とすると20%上昇は15825円となります。
これが一つ目のシナリオ。
もうひとつは先々週末の安値14026円。
これを基点に取ると20%上昇は16831円となります。
どちらになるかはわかりません。
あるいは週足の強さからはるかに大きな上昇となる可能性もありますが、そうなると大バブルですね
あるとすればイエレン次期議長がテーパリングを開始せず、ずっと放置するということが考えられますが、現時点ではまだそこまでは見込めないと思います。
強い方のシナリオはもみ合い期間を無視し、14000円を死守した先々週末を基点として、ECBのサプライズ利下げを材料とする形になるので、こちらのほうがイメージ的にはしっくり来ます。
ただ、勝手にもみ合い期間の安値を無視しているところに難があり、欧米の過熱感からこのままどんどん上昇するというのは楽観的に過ぎるかもしれません。
弱い方のシナリオでは値幅があと1000円もなく、年末相場として上がり続けることを否定するシナリオなので、こちらはやや違和感がありますね。
あるとすればイエレン次期議長の評価を市場が誤っていて、期待しているほどハト派ではないことが明らかになり、過熱した米株市場が下落に転じるというパターンが考えられます。
どちらになるかはわかりませんが、今年一年良い年で締めくくれるよう期待したいですね。