ECBが予想外の利下げ、低インフレ長引く可能性示唆
[フランクフルト 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は7日、主要政策金利であるリファイナンス金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低となる0.25%とした。
インフレ率が低下しECBの目標を大きく下回っていることに対応する措置で、ドラギ総裁はユーロ圏の回復失速を阻止するため一段の引き下げもあり得るとの考えを示した。
市場では据え置きが見込まれていたことから、予想外の利下げを受けてユーロ相場は下落、欧州株は上昇した。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE9A600G20131107
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今回の利下げは予想外でした。
市場はノーマークで、利下げに言及するとしてもガイダンスに留め、今回は据え置きとの予想で一致していました。
ECBがこれまで金利を変更する前には必ずフォワードガイダンスを行ってきたため、今回のような前置きのない利下げは世界金融危機以降初めてであり、市場は完全に裏を裏をかかれた格好です。
インフレ率が目標に届いていないため利下げを行ったとのことですが、果たして緊急性はあったのか?
緊急利下げともいえる今回の措置は、日米の量的緩和路線に対するECBの焦りが感じられます。
しかしながらこれまで日米で経験してきたとおり、金融緩和は必ずしもインフレ率に直結するものではありません。
インフレとはあくまで需要と供給の問題であり、商店主は「お、ECBが利下げしたか。じゃあうちも値上げするか!」とはなりません。
行き過ぎた金融緩和は需要側と供給側に温度差を生じる-消費者は小さな政策金利の変更を引き金として消費行動を変えることはないが、企業経営者は国の施策を信じて生産を増やし在庫を積み上げてしまう-ことにより、むしろデフレにミスリードしてしまう可能性すらあるのではないかと思います。
ECBは2015年半ばまで銀行への流動性供給を継続することを表明しており、追加のLTROもあるのではないかとの予測もあります。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0IS5QU20131107
しかしながら欧州各行は資金の使い道がないため、これまでLTROによって得た資金を返済してきています。
市場が必要としない流動性を長期間市中に放置すると何が起こるのか?
個人的には、あまり楽観的にはなれません。
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