米FOMCが資産購入縮小見送り、金利上昇や財政引き締め懸念


[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は18日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した声明で、月額850億ドルの資産買い入れを当面継続する方針を表明した。過去数カ月間の借り入れコスト上昇によって景気が圧迫される可能性があるとの懸念を示した。


買い入れ資産の内訳は従来どおり米国債が450億ドル、モーゲージ担保証券(MBS)が400億ドル。

市場では今回、資産買い入れ額の縮小が決定されるとみられていただけに、予想外の結果となった。


http://jp.reuters.com/article/jpeconomy/idJPTJE98H02R20130918


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大きな政策変更でした。


5月末ごろから要人発言を中心にFRBのテーパリング(金融緩和の縮小)が市場の話題に上り始め、6/19のFOMC後にはバーナンキ議長自ら年内の金融緩和縮小開始を言明しました。

(関連記事:2013/6/19 アメリカ量的緩和縮小へ


バーナンキ議長のフォワードガイダンスに従い、今回のFOMCでは金融緩和縮小が行われるという前提で市場は織り込んできましたが、それを根底から覆すサプライズとなりました。


株式市場には好材料であり、歓迎で迎えられましたが、一方でFRBの変節という印象も拭えません。

金融政策は経済指標を見て慎重に舵取りを行うのが当然であり、そのような意味では変節も何もないのですが、これまで信頼の厚かったフォワードガイダンスが大きく裏切られたことは、やはり大きな意味があります。


今後どのような舵取りになるのか?


ここ数ヶ月の経済指標が思わしくなかったことがテーパリング見送りの第一原因であるならば、来月の指標が仮に良かったとしても、来月のFOMCで金融緩和縮小を決断する可能性はほぼゼロと思われます。


金融緩和縮小開始は早くても11月。おそらく12月のFOMCまで先送りされることが濃厚となりますが、12月はバーナンキ議長にとって実質最後のFOMC。

次の議長はイエレン副議長が濃厚ですが、イエレン副議長はバーナンキ議長以上のハト派です。


金融緩和を続けたいイエレンさんにバトンを渡す直前に、最後っ屁のようにバーナンキ議長が金融緩和縮小に踏み切るだろうか?


結局テーパリングは開始されず、イエレンさんが議長になってもかなり長期間、金融緩和縮小には踏み切らないという道筋も見えてきます。


目先は米金利低下よりリスクオンの力が強く、円安に向かうかもしれませんが、テーパリング開始まで少なくとも2-3ヶ月の猶予が生まれたため、中期的にはドル売りの圧力となり、ドルはそれほど伸びないでしょう。


株は上昇後、高値波乱となるかもしれません。


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