私の住む地域では、まだ桜の開花宣言が出ていません。
春はもうすぐそこなのに、まだやって来てくれはしない・・
三寒四温とは言え今年は四寒も五寒もあるように思います。

ここの所の技術のめざましい進化は1つ1つの努力が漸く
形として見え出しただけで、すぐ最近の事ではないのです。

効率化ばかりを目指して質を追わない仕事の進め方を
目の当たりにしたり、例えばコンビニの接客ですら陳列優先で
お客さんが取りたい場所なのに知らぬふりをしているような
些細なことであっても、それがあちこちで見受けられるように
なってきたこのごろは心配でもあります。


タイトルの話は、田圃(たんぼ)の話です。
米の収穫量を確保したい為には単純に思えば田の面積を拡大すれば
良いとお考えになるのでしょうが実はそれよりも田んぼの面積は
削ってでも畦道を増やす方が水量の調節もでき、更に虫害や病気の拡大を
食い止めることができるようになるため結果的には1本の稲から取れる
米粒の総量が増え更に品質が良くなるという話なのです。

目先の事にとらわれれば恒久策は追えますが大切なのは今の行動が
長期的にどんな未来になるのか・・。
よく考えれば気付くことなのかもしれませんけれど。
そう思えば時間の一瞬一瞬がとても大切に思えてきます。

例えば時間がもったいないからと走り続けては長期的には体が持たない
でしょうし、有意義な「休息」を時にはとる方が良いのかもしれません。

またコンビニでもまじめに陳列に励むあまり、急いでいるお客さんは
お弁当を取ることができず、もう二度とそのお店には行かないかもしれません。
それであれば、ほんの一瞬でも譲る方が長い目で見て良いでしょうね。

そろそろ田植えに向けて稲の苗を作り始める時期になりました。
田んぼも冬は休息し沢山の蓮華草を植えて栄養分を蓄える頃です。
子供の頃の四季の風景は、今も鮮明に覚えています。

畦の知恵は、日本の歴史の中でご先祖様が経験を重ねて気付いたことを
形に表したもの。過去の失敗から学んだ知恵なのです。
それらをすっ飛ばして効率だけを見てはいけないように思います。


技術的特異点を迎える頃、私達が今見ている景色は今と変わらず
鮮明に見えるのでしょうか。自然の色ほど美しいものはないですよね。

今平穏である事に気付かない世の中は見えないところで大きな
変化を遂げようとしています。それが畦を作っているのであれば
良いのですが田んぼの面積を急に広げていないことを願うばかり。

自然には逆らえないのです。うまく時間の流れと自然の摂理に沿った
進化だけが未来で開花するのだと思います^^