おもしろかった~。
かなり長時間の撮影だったけど・・・。
全部で20カット以上あって、監督が「OK!」って言うまで同じ演技をやり続ける。
俺のDJシーンは一発でOKが出たけどね、さすが俺(笑)
監督にも「キミは素晴らしいね、最高にCOOLだよ!!」なんて言ってたし。
でも、これで編集のときに「お蔵入り」してたらマジでキレる・・・(笑)
20分のショートムービーでの1シーン、ナイトクラブ・・・。
その1シーンの撮影だから、実際に使われるのは数分だろう。
その数分の映像の撮影にかかった時間、さくっと9時間以上・・・。
エキストラで数名は知り合いが来ていたので、緊張無しでリラックスして出来たのが
俺としてはありがたかった。
徹夜明けのビリーマは、会うやいきなり酒臭いし、ドラゴンは相変わらず面白いし
途中から参加したチャミは可愛いし、愉快な仲間がいて俺は幸せ者だ。
実は、今回の撮影は、この映画のスタッフでもあり、CIRCUSのスタッフでもある
デイビッドからの依頼だった。
「ワタシイマ、エイガノサツエイノ、スタッフヤッテイマス、DJノシーンアルダカラ、デテクダサイ」
出演を断る理由もなく、依頼を受け入れたのだが、この映画の詳細を見た時に不安がよぎった。
「Clubのシーンでは、ヒップホップの音を使う」とあったからだ・・・。
俺はヒップホップなんてDJをやったことがないし、やる予定もない。
この映画の出演の依頼を受けたとき真っ先に「自分の音を使いたい」と思っていたし
普段とは違う演出でプロモーションも出来るし、使わない手は無いと思った。
しかし、映画といえば、最終的に編集で音を差し替えたりすることだって可能なわけで・・・
不安に思わない訳がなかった。
ヒップホップが嫌いとかじゃない、俺のDJの映像で、ヒップホップが流れているのが嫌なのだ。
それに悔しいじゃない、俺のビジュアルだけ使って、本来の俺の音を使ってくれないのは・・・。
だから、なんとしてでもアメリカ人の監督を俺に振り向かせる事が絶対条件だった。
言葉ではなく、俺のスタイルを見せて納得させなければ・・・。
刻一刻と時間が過ぎて、ついに俺のシーンの撮影になった。
緊張はしていなかった、たとえエキストラでも、DJブースから眺めるフロアーはいつもと
何も変わらない。逆に普段のDJの時よりも落ち着いていた。
監督とカメラマンがDJシーンの撮影リハーサルをしているのを横目に、
DJブースからフロアーを見渡すと、俺の愉快な仲間3人が視界に入ってきた。
「なにコソコソ話してんだよ、あきらかに俺の事を喋ってるだろ」
とバレバレだったが、奴らにカッコ悪いところだけは見られたくない(笑)
監督とカメラマンのリハーサルが終わり、シーンの打ち合わせを済ましいざ本番へ・・・。
RocKEN&Swinで作った新曲がフロアーに鳴り響く・・・
「アクション!!」っと監督の声が負けじと響く・・・
俺の映像と俺の音が映画で使われるか、それとも
おれの映像だけが映画で使われるか・・・。
「カット!!」
監督の声が響いた。
カメラマンと監督が映像のチェックに入った。
その後、しばし全員休憩に入った。
監督とスタッフが俺に話しかけてきた。。。
「DJのシーンは完璧だ!素晴らしい!」
一発OKで無事終了。
監督が俺に「これはいったい誰の曲なんだ?」と聞いてきた。
俺は言った「俺のオリジナルのサウンドなんだ、ヒップホップじゃないけどね」
何か一つの事を必死に打ち込んでいるとき、その人の目は嘘をつかない。
監督もまた同じだった。
少なくとも、撮影の時は確実に監督の心が俺に動いた事は間違い無い。
しかし、自分の作品を仕上げるとき、全体のバランスをみて苦渋の決断を
下さなければいけない事も多々ある。
それは、その時になってみなければわからない事で、とても辛い事だ・・・。
後は祈るしかない・・・。
2009年12月29日 プラスティックファクトリー
映画「MAYA」の撮影。
また新しい経験が、俺に刻まれた素晴らしい一日でした。