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Dream Box

このブログの内容は5割の誤解と4割の勘違い、2割の嘘で成り立っています

独特のユーモアセンスを持つことで知られる英国人

日本海軍の師匠格とも言える彼の国の兵器たちに付けられた名前を直訳すると、「厨二かっ!」とツッコミたくなるような命名が数多くあるのです


                              HMS Dreadnought
                               ドレッドノート
                      怖いもの知らず


                              HMS Invincible
                              インヴィンシブル
                               無敵


                              HMS Indomitable
                                インドミタブル
                               頑固


                              HMS Inflexible
                              インフレキシブル
                               不屈



                              HMS Indefatigable
                             インディファティガブル
                               活力


                              HMS Revenge
                                リベンジ
                               復讐


                              HMS Resolution
                              レゾリューション
                               解決


                              HMS Renown
                                レナウン
                               高名


                              HMS Repulse
                                レパルス
                               撃退


                              HMS Formidable
                               フォーミタブル
                            恐るべき


                              Spitfire
                            スピットファイア
                          癇癪持ち


                              Spiteful
                             スパイトフル
                            意地悪





(;・ω・) 「ソ連の軍艦も形容詞的なのが多いんですが、英国のは飛びぬけてます」



東京湾の航空写真です

赤枠のところをズームしてみます



中央あたりにあるのがIHIマリンユナイテッド磯子工場です

今現在も大型船を建造中です

もうちょっと寄ってみます



何か角ばった民間船っぽくない船です

もったいぶってもしょうがないので紹介しますと、これはDDH-183ヘリ搭載型護衛艦『いずも』です

船は通常、乾ドックで作られますが完成まで年単位の時間が掛かる大型船にいつまでもドックに居座られると他の船の工事が出来なくなってしまいます

そこで水上に浮かべられる状態まで作ったら進水させて甲板上の構造物や装備などを載せる艤装は別の場所で行うのが一般的なのです



空母っぽく見えますが、艦載機を射出するためのカタパルトもなければ着艦の為の装備もないので空母としての運用はできません

自衛隊が将来導入する事が決まっているF-35の派生型であるB型なら運用できるかもしれませんが、空自が採用するのは通常型のA型でありこういう(↓)芸当はできません



また甲板自体もジェットエンジンの高熱の排気を繰り返し浴びて耐えられる程の強度は「ないとされ」ています

( ´ー`) ニヤニヤ

まあ将来空母を装備することになったとしたら正式に作るでしょうから、『いずも』で空母的な運用をするような中途半端な事はしないでしょう

緊急的に着艦させる為のプラットホームとしては使い得るでしょうけど

運用が始まれば海自最大の水上艦になるだろう『いずも』は2015年3月の竣工を目指してこの場所で艤装が進められています


ですが今回の主題は『いずも』ではありません



注目すべきはこっち

海上に浮かぶ艦船の作業を行うための足場、これは浮き桟橋ですが実はこれ『天城』なのです(画像下側のいるのは海保の巡視船『あきつしま』よく見ると左側のドック内にひゅうが型の『いせ』か『ひゅうが』のどちらかと思われる艦もいる)



第1次世界大戦中に発生したジュトランド沖海戦の戦訓をもとに日本海軍が立案した八八艦隊計画(決戦用の主力艦隊として戦艦8隻、巡洋戦艦8隻を装備し建艦から8年で常に最新最強の主力艦を作り替え続けるという途方もないプラン)の巡洋戦艦の第1陣として1917年に建造が始められたのが天城型巡洋戦艦4隻です(天城・赤城・愛宕・高雄)

しかし1922年に発効したワシントン海軍軍縮条約で当時建造中の主力艦を廃棄する事になり、すでに船体の大部分が出来上がっていた天城・赤城は条約で制限の緩かった空母に転用される事になりました(愛宕・高雄は解体)

さらにしかし、1923年9月1日に発生した関東大震災により横須賀海軍工廠で建造中の天城は台座から滑落し竜骨を破損する被害を負ってしまいます(赤城は広島の呉で建造中で難を逃れた)



これによって建造の続行が困難になってしまい、軍縮条約で認められた空母の建造枠には同じく条約で廃棄が決まっていた戦艦『加賀』を転用する事になりました

破損した天城の一部は浮き桟橋として流用され、現在に至るまでこのように日本の造船界を(文字通り)足元から支えているのです



「航空母艦、赤城です。
空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ」


















「航空母艦、加賀です。
あなたが私の提督なの?それなりに期待はしているわ」


















震災で姉を失った『赤城』とその代役に抜擢された『加賀』は栄光の第一航空戦隊を形成し、南雲機動部隊の中核として1941年12月8日真珠湾攻撃を敢行し航空主兵時代の幕切れを飾ったのでした

その後もラバウル→ポートダーウィン→チラチャップ→セイロン島と連戦し、運命の海ミッドウェーへ

結果として蒼龍・飛龍の二航戦と共に赤城・加賀が撃沈される大敗北を喫したものの、米軍側すら奇跡の勝利と称したほどでした

そんな彼女たちが七十余年の時を超えて再び脚光を浴びつつある現在

運用コストの高さからすっかり大喰らいキャラが定着してしまったのでした

http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im3913016 【艦これ】海軍の食あれこれ【史実】

天城姉さんも草葉の陰で(って生きてるけど)嘆いてるのではないでしょうか


かつての聯合艦隊の姉妹たちの多くが太平洋の海底に沈み、また戦後復興のために解体され資材となっていった中、姿を変えつつも海上から日本の発展を支える天城

数奇な運命を経た天城が現在、生まれたばかりの『いずも』が巣立つまで子守り役を買って出ている気がして仕方ありません






川;´∀`) 「にしても最近の子は大きいわね…」

( ・ω・) 「姉さんが小さくなったんですよ」

隣りの『いずも』が大きいため浮き桟橋となった天城が小さく見えますが、元々は天城も全長250mはある巨艦であり、ほぼ『いずも』と同サイズでした