==◎== 「やっほ~、あたしアマテラスぅ
川 ^ω^ し
あたしってさー太陽神って思われてるじゃん?
でも日本書紀?あれだと大日霎貴(おーひるめむち)とも呼ばれてんのよね~
これだと太陽神に仕える巫女って意味にもなっちゃうんですけどー
自分で自分に仕えるって超イミフ~?
でさでさ、あたし昔は海の神様やってたような気もすんのよね
よく憶えてないけどww
ま~いいわ
こないだスサノオのバカチンがさー
あたしん家荒らしやがったじゃん?
超ムカついたんですけどー
ま~あたしにも落ち度っていうか?
そんなのもあったから多目に見てやってたのー
そしたらあいつ調子こきやがってさー
さすがのあたしもキレたねw
あたしキレさせるなんて大したもんだよ
仏の顔も3度までって言うじゃん?
ま~あたしホトケじゃなくて神様なんですけどねww
ほっとけ!みたいなwwwww
思わず岩戸に籠ってやったさ
ま~引きずりだされちゃったけどね(テヘッ
そーいや、スサノオの奴ここ追い出されたって聞いたけど何やってんだろ?」
\天/
=◎== 「・・・ん?
J ^ω^ 川
なになに、あいつ国なんか作ってたの!?
しかも何気に良さ気な感じじゃないの
あいつっていうか、あいつの子孫には勿体なくない?
これはもー貰っちゃうしかないでしょー」
と言ったかどうかは知りませんが、天照はスサノオが作り大国主が栄えさせた出雲の国を譲らせるべく何度か使者を送ります
しかし最初に使者に立つ事を命じられた天忍穂耳命(オシホミミ)は怖気づいて嫌がったり、大国主に上手く言い包められたり、使者が大国主の娘に惚れちゃったりして思う通りに行きません
天照や高木神(高御産巣日の別名)、八百万の神々が思案して建御雷神(タケミカヅチ)と天鳥船神(アメノトリフネ)を派遣します
すると今まで知恵を絞ったりして天津神の干渉を退けてきた大国主が何故か弱気になり、息子達に答えさせると逃げを打ちます
大人しい事代主は「はい譲ります」と即答して隠れてしまいました(死んだことの暗喩?)
ちなみにこの大国主が後世にインドの神様などと混ざって大黒様に、事代主が恵比寿さまになるのです
もう1人の建御名方神(タケミナカタ)は「力で決めようぜw」と健御雷神に挑みかかりますが、敢え無く敗れてしまい諏訪の地まで逃げて追い詰められ国譲りを認めます(そこで祀られたのが諏訪大社です)
大国主は自分用に神の子と同じくらいの神殿を建ててくれれば、そこから出ないだろうと要求を受け入れました(これが出雲大社ですが、こうした経緯から出雲大社は大国主を封じているという説があります。神楽殿のしめ縄が逆向きに張られ、中の神様を結界で縛っているというのです)
こうして出雲の国譲りは終了します
天照は当初息子のオシホミミに地上を治めさせるつもりでいましたが、国譲りの交渉の時に続いてオシホミミはこれを渋り「ちょうど息子の邇邇藝命(ニニギ)が生まれたので、この子を送るべきでしょう」と息子を身代わりに立てたとか
天照と高木神はニニギに多くの神を付けて降臨させました
ニニギは主神格の天照の孫にあたるので「天孫降臨」となるわけです
高千穂に降り立ったニニギの一行は木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)という美しい娘を見つけ、ニニギはその父親に妻にくれと頼みます
父親は喜んで姉の石長比売(イワナガヒメ)も付けて差し上げると言ったものの、イワナガヒメがぶちゃいくだったのでニニギはコノハナサクヤヒメだけを貰って姉の方は返してしまいました
この為、花の宿命を持つコノハナサクヤヒメを選んだニニギの子孫は花が咲くように繁栄するものの、やはり花のように短い命を背負うことになったのです
姉のイワナガヒメも貰っておけば永遠に不変とも言える石の寿命を持つ事も出来たのですが、返してしまった為に短い命の宿命のみを負う事になったのでした
・・・神様のわりに何とも人間臭いと言うか万能性に欠けるというか
さらに不思議なのがこのニニギの一行は出雲の国譲りを受けて降臨してきたにも関わらず、一向にその地へ向かおうとしないのです

ニニギの子として生まれたのが火照命(ホデリ)、火闌降(ホスセリ)、火遠理(ホオリ)の兄弟です
ホデリの別名は海幸彦(うみさちひこ)、ホオリは山幸彦(やまさちひこ)と言いますが、よく山で「やっほー」と叫ぶと『やっほぉぉぉぉ…』と返ってくるヤマビコはこの山幸彦のことです
海幸彦は海で漁業を山幸彦は山で狩猟を生業としていましたが、偶にはお互いの仕事を交換してみようと互いの仕事道具を貸し借りしてみました
しかしやはり上手い事行かなかった上に、山幸彦は兄の釣り針を海底に引っかけて無くしてしまいました
大切な道具を無くされた海幸彦は怒って返せと弟を責め立て、山幸彦は自分の剣を砕いて針に鍛えなおして弁償しますが許されません
海辺で山幸彦が途方に暮れていると潮の神が現れて事情を聞き、それならと彼を海神(わだつみ)のいる竜宮へと連れて行きました
海神の娘・豊玉毘売命(トヨタマヒメ)は山幸彦に一目惚れし、無くした針を見つけ出してくれ2人は夫婦になりました
3年に渡って
…それなんて浦島太郎。っていうかどう考えても悪いのは山幸彦
兄を懲らしめ従えさせた山幸彦の所に「赤ちゃん出来ちゃった(テヘペロッ」とトヨタマヒメが現れます
彼女は産まれるところを決して覗かないでくれと頼みますが、好奇心に負けた山幸彦は産屋を除いてしまいトヨタマヒメが巨大な蛇(またはワニ)であることを知ってしまいます
姿を見られたトヨタマヒメは生まれた子・鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズ)を置いて海へ帰ってしまいます
…なんか鶴の恩返しとか雪女とか天女の羽衣とか色々混ざってる気もします
乳飲み子を抱えて困っていた山幸彦の元にトヨタマヒメの妹である玉依毘賣(タマヨリヒメ)が姉の代わりにその子を育てますと現れます
長じてウガヤフキアエズとタマヨリヒメは夫婦となり、生まれた子供が神日本磐余彦尊(イワレヒコ)であり初代天皇・神武です
…ていうか真ん中のホスセリどこ行った
三貴子でも真ん中の月読の存在感が薄い事が知られていますが、一説には昼と夜の関係から本来天照と対立するのは月読だったのがどこかの段階でスサノオが加わり役割も入れ替わったのではないかと考えられています
日本書紀の一部の記述でも兄ホデリと対立するのは二男のホスセリだったりします
この三貴子、ニニギの子の3人という括り方にキリスト教の三位一体と云う概念が影響を与えたのではないかと言う説もあるらしいです
神武東征
ある時イワレヒコは東方に自分達が治める国があるんじゃないかと考えました
実はニニギが天孫降臨してからここまで179万2470年余り経っていたそうで、葦原中国(あしはらなかつくに)を統治するために派遣されたはずなのに未だに成し遂げてなかったのかと驚かされます
というよりニニギ→山幸彦→ウガヤフキアエズ→イワレヒコで4代しか経過してないのに179万年って…
尤も他の史書ではこの間に数十世代が経過していたという記述があるのですが、記紀が纏めるにあたって相当端折られたようです
東征とはいうものの、その実像は三蔵法師一行が天竺に向かって旅をするようなもので全く勇ましいものではありません
あっちで7年、こっちで8年と寄り道して…というか元々東方に良い感じの国があるんじゃないか?という漠然とした思い付きで旅立った一行なので明確な目的地があったわけでも無いようです
近畿地方に入りかけると山賊の兄弟やら地元の腕っ節の強い団体さんが襲いかかり、極めつけに登美毘古(ナガスネヒコ)という地元の大物に追い払われる始末
…神様の子孫だったよね?確か
西からやってきたイワレヒコ一行だったが、自分は太陽神の子なのに日が沈む方角からこの地に入ろうとしたのが間違いだった。紀伊半島を回り込んで東側から入るべきだと思い付きます
…いや元々西方から東に向かって旅しようというのが大前提だし
このナガスネヒコというのは天孫降臨とは別口で地上にやってきたという饒速日命(ニギハヤヒ)に妹を嫁がせ仕えるようになったという人物で、イワレヒコが神の子を自称している事に対し自らが仕えるニギハヤヒも神の子だと言う、どっちが本物なのかと盾突いたわけです
するとよりによってニギハヤヒ本人がイワレヒコも自分も共に神の子に間違いは無いと、聞き分けのないナガスネヒコを殺してしまいます
…妹を嫁がせ、ニギハヤヒを信じて戦ってたのに、ナガスネヒコ涙目
そして自分の娘である比売多多良伊須気余理比売(ヒメタタライスケヨリヒメ)をイワレヒコの妻として国を譲ってしまいます
ところでこのニギハヤヒという神様は三輪山に祀られることから大物主と同一視する説があります
大物主と言えば出雲の国作りで大国主に助力を与え、彼の分身だと言った神です
大国主が天照の孫であるニニギに国を譲り、大国主の分身である大物主がニニギの曽孫であるイワレヒコにまた国を譲るという不思議な現象が起きています
また先に語った継体天皇も大和入りに際して20年もの時間を要するなど抵抗勢力との確執を想像させ、先帝の姉に婿入りする形で国譲りを受けています
これらを全て偶然と片付けてしまって良いものでしょうか
ともかく大和の地に腰を落ち着けたイワレヒコは、後の世に言う初代神武天皇となるわけです
( ・ω・) 「ちなみに今日は古事記の編者、太安万侶の命日ですお
また、今夜やってる『千と千尋の神隠し』にちょっとした古代史ネタがかくれてます
下記リンクを踏んで見て下さいお」
※ハクの本当の名