2009年10月30日

 

点滴のために入院した太郎は別人のようでした
駆け付けたばぁばが
「タロくん、どう?しんどいの?」と声をかけても
うっすらと目を開けて、閉じて・・・

「ちょっと!先生は何て?
タロがこんなに元気がないなんて!
大丈夫なの?」
ばぁば、かなり取り乱してました
それくらい太郎の様子はおかしかったんです。

2本目の点滴が始まるころ、やっと太郎がしゃべりました。

「ごはん。お腹すいた」

「またゲボするといけないから、ご飯は明日ね」

「明日?今、夜?起きたらご飯?」

「明日の朝になったらね」

「イヤや~ 遅い~ 明日、遅いよ~」

「ごはん~ 食べたいよ~」

この時点で、私も朝から何も食べていません。
おかげで空腹を思い出してしまいました
母が「タロは看てるから、あんたはご飯食べておいで」と言ってくれました。
でも、お腹を空かせて泣いている太郎に申し訳なくて・・・

「外で食べたらいいやん?」と母は言うけど
太郎の嗅覚は敏感です。
絶対に気づくでしょう
とりあえず、ミルクティーを自販機で買って
「タロ、お母さん、これだけ飲ませてね
ご飯はタロと一緒に我慢するから
明日の朝まで一緒に頑張ろうね」
「お母さんも食べんの?」

「うん、食べんよ。
タロも頑張ってるから、お母さんも頑張るわ」

「うん、朝になったらご飯」

「そう、朝になったらご飯です」

夜中に何度も目を覚ました太郎は
「まだ夜?」と目覚めるたびに聞いたけど、
窓の外が暗いのを見ると

「朝になったらご飯」

と、おまじないのように繰り返し、目を閉じました。

待ちに待った朝
「太郎くん、おはよう。お熱測ってください」
検温に来た看護師さんに
「朝?ご飯?」とすかさず聞いた太郎

「ごめんね~ お熱聞きにきただけなの」

「朝なのに・・・ご飯が・・・」
枕に顔を埋めて泣きながら、もうひと眠り

回診に来てくださったM先生
「寝ちゃったの?ご飯を食べても吐かなければ早めに帰りましょうか?
姫ちゃんが心配でしょう?
口から水分補給が出来ればお家でケア出来ますよね?
吐き気止めと解熱剤。両方の座薬をお渡しします」

M先生、ありがとうございます!

夜、姫からたくさんメールが来ました。
怖がりで不器用な姫が頑張ってると思うと気が気じゃなかった

朝、昼共に半分ほど食べても吐かなかったので

「タロくん、帰っていいよ」とM先生。

「よっしゃ~」とベッドの上でガッツポーズの太郎。

「すっかりいつものタロくんですね」
笑ってるM先生の隣で、担当の男性看護師さんは

「ホント、昨日とは別人ですね
タロくん、そりゃ、みんな心配するわ」
と変に納得してました。

太郎の入院中、一番の功労者は姫かもしれません。
そんな姫の様子は改めて記事にしたいと思います

ともあれ太郎は1泊だけで無事退院。
やれやれ…