あくまでも私の経験談であるが。

 

まずは過去の話。

公共系のお客様で、システムがクラウドとオンプレに分かれていて、クラウドは情報公開のサービスを、オンプレは内部のデータを管理していた。クラウドとオンプレはそれぞれ別の企業が受注しており、私はクラウド側の企業の立場だった。

モバイルルータを使ってオンプレのネットワークに接続させ、外出先からも仕事ができるようにする構想があり、モバイルルータのセットアップと接続試験をしたことがある。

その試験の際に、1度は接続できるのだが、2回目以降は接続できなくなる事象に見舞われた。

オンプレ側企業のセキュリティ担当に確認したところ、何も確認せず「ルータの問題だ」と返された。しかし「こちらのルータに問題があるなら全く接続できないと考えられるが、1回はつながっている。2回目以降は例えば不正端末と見なされたりしているとか、そういうことはないか?」と返してみた。すると「お宅がそんな訳の分からないクソみたいなルータを使うからだ」と返された。確かに、モバイルルータはクラウド側の企業で取り扱っていた製品で、あまり一般的なかったが。「1回はつながっているので、そのログの確認と、接続できなかったときのログを調査して頂けないですか?」と頼んで、実際に接続失敗するところを確認して貰った。

結果、セキュリティ関連のソフトの設定ミスが判明し、修正して接続がうまくいくようになった。

別に謝罪はどうでもよかったが、暴言を吐いて、謝りもしないもんだなと感心した。

 

現在進行形の話。

やはり公共系のお客様で、あまり詳しくは書けないが、インフラとネットワーク担当、Webとミドルウェア担当、要件や変更管理担当、などといくらかの企業が分かれている。

私はWebとミドルウェア担当で、契約の形態上かなり下の位置にいるが、実施責任者でもある。そんな中、インフラとネットワーク担当の対応がいただけない。

公開するためのWebが表示されないトラブルがあった。しかし、何も調べずに「Webサーバで制限をかけているのでは」とし、調査をしてくれない。内部の他のサーバからはアクセスできることなど説明して、ようやく調査を始めるまでに2週間。原因はすぐに判明し、ネットワークの開放漏れであることが発覚した。

他にも、フロントエンドはともかく、バックエンドのセグメントへの接続を3ヶ月前には依頼してOKを貰っているのに未だ接続されない(その説明もない)ため、作業が止まっている。

 

いろいろ安請合いして調子のいいことを言うのも、それが結果的に間違っていたとしても、代替案で対応できるなら別にいい。プロジェクトで想定外は起こるので、こまかい失敗は問題ない。それを皆で知恵を出し合ってリカバリしていけばいいのだ。

しかし現在進行形で何の相談も説明もなく「この案を進めることにして調整した(それも追加費用が結構掛かる)」という決定を、上層と決めて話を持ってきている。そうすれば自分の失敗にならないからだろうか。

それに対して「そもそもこういう話だったよね?」「それが実現すれば追加費用はいらないよね?」という返事を返すと一気にトーンダウンした。ミーティングでも話題になり、ようやく動き出してくれることにはなった。

 

 

トラブルが起きた時って「自分の責任じゃないから知らない」ではなく、「このトラブルを解決しないとお客さんに迷惑がかかるので、みんなで情報出し合って解決していこう」と考えてくれるエンジニアって、あまり見かけない。エンジニアに限ったことではないんだろうけど、エンジニアには多いように感じる。

こういうトラブルのときに、その人の本質なのか、その人の組織人としての本質なのかが垣間見えるようにも思う。