もうずいぶん前だけれど「生産性が20年前から変わっていない」と衝撃を受けているITベンダーの役員(それも大手)の話が新聞に出ていた。
でも、それは仕方がないと思う。

というのも、私がこの業界に入ったころはまだ大型汎用機が幅を利かせており、パソコンなんてビジネスで使えるレベルではなかった。使えるとして、今は無き dBase とか。まだパソコンのビジネス利用を模索していた時代だ。
使っていた言語は同期ではこれももうなくなった SUN の Sparc Station での C の開発をしている連中もいたが、私自身はまだまだ幅を利かせていた大型汎用機のCOBOLを使っていた。
大型汎用機とCOBOLの世界しか知らない人からすれば、生産性が変わっていない、と驚くのは仕方がないだろう。

理由を挙げる。
・COBOLは生産性の高い言語である。
・COBOLはアルゴリズムのパターンがかなり決まっている。
・OSや資源とアプリの分離という意味では汎用機は非常に優れている。
・汎用機はほとんどセキュリティを考慮する必要がない。
裏を返すと
・COBOLと比べて生産性が高い言語は少ない。
・アルゴリズムのパターンがあったとしてもいろいろあったり活用されない事も。
・OSをある程度意識してのプログラミングが必要になるケースも多い。
・セキュリティに関する考慮は必須。

まだあるが省く。こういう要因があるため、単純に比較はできないのだ。


ただ、最近の懸念としては「動けばいい」程度の傾向が強いのでは?と思ってしまうことがある。ものづくりで世界的に優位とされている日本が、ITの製造に関してはそうではない、と感じる。

そこんとこ、なんとかしたいよな、とか思う春である。