書店で見かけて中身を見て「近いうちに買おう」と思っていたら、翌日の日経の広告で出ていたので「売り切れてはまずい」と買って読んでみた。


外資系コンサルタントのインパクト図解術/中経出版

¥1,995
Amazon.co.jp


ネタをバラすようで申し訳ないが、この書籍では
・ステージ1 印象力で「記憶に残す」
・ステージ2 説得力で「納得させる」
・ステージ3 影響力で「感動させる」
と3つのステージ分けをしているが、私自身ステージ3が弱いと自覚しての購入だった。

この本のステージ分けと、過去の自分の提案事例はどうだったか、と本に沿って確認してみた。特に客受けが良く、相手が目を輝かせて乗ってきて、そのまま結構大きな取引になった事例がいくつかあるが、その成功体験は相手がどのあたりで興味を示したかという点も含め細部まで記憶している。そのときのやり方、今ならまだ改善の余地があったのだろうか?という点だ。

当時やった手法は、写真撮影のテクニックを参考にしたものだ。例えば平面の壁に無数の落書きがあったとする。それをただ「撮影しました」というのではなく、その中でも「これ、面白い」というものを少し斜めのアングルからそのターゲットにピントを合わせ、他をボケさせる位にして「えぐり取る」ようにする方法だ。舞台でも主役脇役があるように、何を主役にするかを見定めて、相手にも伝わるようにしたのだ。おそらく華道でも同じような考え方があるんじゃないかと思っている。
提案の際には、顧客の抱える問題をどう解決するかというのは、顧客の表面的な要望だけではなく本質的な問題点をえぐり出して、その解決を提案する必要がある。写真で言うなら写っているものだけではなく、その写っているものにどういった思いを込め、伝えようとするのか、になると思う。
実のところ、その「印象力」で顧客の心を掴んでしまえた訳である。
・どういった効果が見込めるのか
・どうやれば実現できるのか
・何が考慮する点は何か
といったステージ2にあたるであろうことまでをこなせば済んでいたのである。


では、この書籍に書いてある「ステージ3」は余計なことなのか?単純にはそう捉えがちだが、そうではないだろう。このブログにまとめる過程で気がついた事だが、この書籍の事例と私の事例では本質的に異なる部分があるように思える。
この書籍では「いままで顧客が経験したことがないもの」を対象にして、「その未体験のことをどう伝えるか」がターゲットになっているのだろうと思う。一方、私の経験の場合は「既に走っている業務を何とかしたいなあ」と自分たちでよく考えたもののよいアイデアが出なかった場合であるため、「こんなんどうでっか!」とアイデアを持ち込めば顧客の腑に落ちたのである。ステージ3を用意する必要のない顧客だったということだ。


この書籍を自覚した事。ステージ3が弱い私は「新しい事業を云々」といったケースでは顧客の腑に落ちるような提案がまだまだ弱い、ってことになるのだろう。この本でしっかり学びたい。