AccessのフォームやVBAを使っているとなかなかAccessから離れられないだろう。しかし、データベースに関して「遅い」と感じるなら、データベースをAccessから別のものに置き換えることをおすすめする。
フリーのものがいくらか出回っているが、個人的には SQL Server 2008 R2 Express Edition を薦めたい。

容量など制限はあるが、フリーである。更にSQL Server Management Studio というツール付きのものもあり、SQL文に慣れていなくてもこれがあればデータベース作成等にそれほど苦労はしないだろう。

先日、あるWebシステムでデータベースにAccessを使っていたものがあった。件数が増えるとついにタイムアウト(30秒だったと思う)が起きるようになってしまったのだが、SQL Server に置き換えると多く見積もっても3秒以内で処理が返ってきた。なお、トレーサーなどがなかったので体感的なターンアラウンドタイムであるが。
つまりは、少なくとも10倍程度の速度はある、ということだということになる。

Accessでちまちまとチューニングをしてもなかなか大きな効果は得られないだろう。データベースエンジンを変更し、SQL文を変更、場合によってはSQL文を使っていないのでSQL文に修正しないといけないし、DBへの接続を変更する必要があるが、速度はずいぶんと速くなる。
ただ、上記のような変更が困難、というケースもあるのだろう。自前で作成したものであればともかく、業者に依頼して作成したもので「全面作り直し」「莫大な費用がかかる」「難しい」という回答が返ってくるなら、そういう業者はあまり信用できないのではないだろうかと思う。よほど元の作りが下手くそか、技術力がないか、のどちらかに違いないと思われるからだ。

Accessは遅いので、データベースを置き換えられるように設計しておく、というのが常識として認識されてほしいものである。そのためにVBAの書き方のお作法ってものや、マクロ、クエリ、フォームののお作法ってものも、実践していれば自ずと見つかるのだ。
そのあたりも情報発信が必要なのかもしれない。