何か最近、プロジェクトマネジメントって誤解されている気がする。

確かにPMBOKなどでは計画プロセスが非常に厚みがあるし、重要であることには間違いない。しかし、計画を立て、予定調和で終わらせるというものではない。
私見であるが、暴論ではないつもりの話をする。PMBOKではなぜ計画を重視しているのか?計画が重要であることもあるが、計画段階は「定形化しやすい」からではないだろうか?この工程は時間も十分にかけることが可能である。しかし、意外とおざなりなケースが後を絶たない。
計画がしっかりしていれば、後から出てくる問題は回避できるはず。しかし、いい加減に進めたがために後で大変な思いを、というケースを嫌と言うほど見ている。

計画なんて、よほど類似のプロジェクトに経験豊富な人が見積でもしない限り、変更があって当たり前である。そういう変化も「計画に織り込んでおく」ことが必要なのである。つまりは、予定通り四角四面に進めるのがプロジェクトマネジメントではなく、予定通り変更を行うのがプロジェクトマネジメントでもある、とも言える。

ただし、「変化を織り込む」のは顧客との合意事項にしておくべきだ。変化には、たいてい範囲の変更がつきもので、それにより費用と期間、品質にも影響が出る。これをコントロールできる下地を作っておくとこが最低限必要である。それには信頼関係の構築が重要だ。


経験上のツボを。

初回。
・話を聞いて、現時点の要望ではざっとこれくらいの予算と期間である旨を出す。
・ただ、現場の声を聞くと要望はふくれあがるのが常。いったん現場の声をしっかり聞いた後、可能な予算規模、必要な納期までに何を実現できるか、を整理する機会を依頼する。
・その際、業種にも依るが、だいたい期間と費用がこのくらいになるケースが多い旨、話をしておく。
変更が出ることを認知しておいて貰うことが重要である。

そして、現場の声を聞いてからは
・現場の要望としての優先順位はこうであった。
・業務のボトルネックはここで、それを解消すればこれだけの効果がある。
・経営課題としての優先順位を鑑み、こんな風に推進する案を2つまとめた(段階的に進める案と、一気に構築してしまう案)。それぞれの長所短所があるが、どちらがより最適解か?
などという形で進める。

よほど決裁権がある場合を除き、たいていは段階的に、の案で落ち着く。敢えて選択の余地を残すのは「押しつけ感」を払拭するためである。


本気で顧客目線で考えたら当たり前のことだと思うのだが、そのあたり読者の意見も頂ければと思う。