こういう事を書くと、もの凄く叩かれる可能性はあるが、観点を変えるとこんな見方になってしまうという例として。

「すべての子供に公費で予防接種を受けられるよう働きかけている」団体がある。

この考え方自体にはあまり異論はない。「子供の健康を守る」という観点では必要な行為だろう。ただし、接種による事故が無い訳ではないので、それを防止する策も必要であるだろう。
しかし、この団体が、その働きかけによって受益者になるなら胡散臭さを感じてしまう。

これをとなえているのは医師会である。

予防接種を公費で行えば、対象者は当然ながら無償なので「受けておこう」となる。その診療報酬は窓口では不要だが、医療機関から公費負担者へ請求される。特に集客しなくても来院者数が増え、医療機関の売り上げに貢献できる、という仕組みになる。

もちろん、それにより重篤患者を減らす等の効果があり、医療現場の負担を軽減することで、本当に医療を必要としている方の受入を可能にし、より質の高い医療の提供を、ということも考慮しているとは思う。しかし反面、中には診療報酬の水増しなどを起こす医療関係者も居る。現在のところ、発覚しにく仕組みだからだ。診療報酬の請求を電子化するにも、本来は完全に終わっている時期のはずだが、まだあまり進んでいないのは、電子化されるとチェックが簡単になるため、不正をしている医師としては非常に困るものなので何かにつけて反対している、という話を医師から聞いたこともある。

そこまで崇高な意志があるのならということで、予防接種による診療報酬請求額を引き下げる、という「医療機関としての協力」もあって然るべきではないだろうか、と思う。