コミュニケーションが悪いプロジェクトでうまくいくプロジェクトは知る限り存在しない。
プロジェクトマネージャの仕事のほとんどがコミュニケーションだ、とも言われている。しかし、上手にコミュニケーションがとれているプロジェクトもあまり見かけない。

では、コミュニケーションはどのように確認すればいいのか。ちょっと考えてみた。

とりあえず
・縦方向のコミュニケーション
・横方向のコミュニケーション
を考える。

・縦方向のコミュニケーション
上司からの指示、部下からの相談など、組織の縦方向の情報流通を指す。上から下への情報の流れであるトップダウン、下から上への情報の流れであるボトムアップがある。人に限らず、組織間も含む。

・横方向のコミュニケーション
同僚同士、サブチーム同士など、組織の横方向の情報流通を指す。人に限らず、組織間も含む。
なお、多くの組織が複雑に入り交じっていたりすると、縦方向か横方向か区別しにくいときがある。それはとりあえず横方向と考えておくのも手である。


縦も横も、情報の流れとしては「外部からくるもの(インプット)」「内部から出すもの(アウトプット)」がある。この、情報の流れが全体の情報に対してどのくらい流れているか、確認してみるのだ。
例えば上位の会議で決まったことが下位組織に流れが悪いなら、トップダウンの情報が停滞してしまっている、ということになる。

また、口頭で伝わった情報は、記憶に頼るもので記録に残らない。その場にいないメンバーや後で増えるメンバーも同等の情報をインプットとして与えられる再現性があるか、というような情報の伝達方法/保存性も考慮する必要がある。たとえ文章だとしても、曖昧な文章だと再現性は低いといえる。


話変わって、経営資源はヒト、モノ、カネ、と言われてきた。これに情報や時間を足す話もあるようだが、情報はヒト、モノ、カネをコントロールするインプットといえる。それほど情報は重要である、ということではないだろうか?

その情報がうまく流通していないなら、情報をうまく流れるような施策は有効ではないか、という仮説が立てらるのではないか。

うまくいく、という仮説は検証していない。しかし、「コミュニケーションが円滑でなくなるにつてプロジェクトがうまくいかなくなる」という例を数多見てきた立場からすると、逆説的に検証できているようにも思う。


情報の流れ/情報の再現性を確認し、よくないと思ったらコミュニケーションを改善する価値はあるだろうと思う。ものは試しと、試行頂ければ幸いである。