お役所仕事、という言葉がある。公務員をしていた頃にその言葉の意味と実態をよくよく噛みしめ、公務員を辞めたら二度と体験しないだろうと思っていた。

しかし、世の中はお役所仕事がある。それも民間企業で。

現在仕事をしているプロジェクトの元請けが大手ベンダーで、仕事の都合上、ベンダー内部(事務部門等)とやりとりすることが結構あるのだが、これぞまさにお役所仕事である。

お役所だと「前例がない」という言い回しはよく行われる。役所の仕事というのはルーチンワークで回すものが多いので、定義されていないものは末端で判断できないため、対応する窓口ではそういう言葉になるのは致し方ない部分がある *1。それが「担当者が勝手な判断をした」ということを防ぐためのことでもあるからだ。

今の企業では、細かく業務が定義されているわけではない。必要なら都度判断し、決断をする必要がある裁量権を持っている。その方が物事が速く進むからであるが、その判断が非常に遅い。困ったモノである。お役所の仕事よりもお役所仕事っぽい状態なのだ。公務員時代を含め、今まで仕事をした中で、最も硬直化した組織である。


いままで企業の栄枯盛衰を見てきた。
もう潰れてしまった企業で働いたこともあるし、ベンチャーの頃に仕事を一緒にさせていただいて今ではその業界で非常に力のある企業になったところもある。当時から「ここは長くないな」「ここは成長するな」というのは肌で感じていたが、概ねその通りになる。
その肌感覚で言えば、この企業、あと10年後、いや、2年半後には大きく形を変えていると思う。日本でも有数の企業であるので赤字になっても簡単に潰れないのかもしれないが
・子会社の非上場化
・ビルなど不動産の売却
・部門の切り売りや廃止
・希望退職者の募集
のうちいくつかは、おそらく2010年度には一部始まるのではないだろうか?と睨んでいる。もしそれあないようなら、2015年にはこの会社は中国企業に買われているのではないかと思う。



*1 私は公務員時代、窓口業務ではなく完全な内勤で、外部は業者さんと付き合いがある程度であった。よって、窓口業務の経験に基づいて擁護している、という立場ではない。