幽霊、見たことある? 信じる? ブログネタ:幽霊、見たことある? 信じる? 参加中



説明の付かないことの体験は、ある。

金縛りには、高校1年生の夏からあうようになった。が、疲れている時のことだからと気にはしなかった。しかし、上京して1年目に住んでいた寮では、疲れてもいないのに、「ああ、今日は金縛りになるな」と感じる日はときどきあり、やはりそんな日は金縛りにあった。
その寮は新人専用の寮だったが、先輩社員からもいろいろと聞かされたし同期もいろいろと奇妙な体験をしていたようだ。

その寮から歩いて5分ぐらいの事業所に配属され仕事をしていた。ある夜、もう12時すぎだったろうか。その事業所は5階建て。5階は大部分がホール兼会議室で、一部だけ仕事ができる部屋、そう、小学校の教室くらいの広さだろうか、そこで一人残って「今日はあと二時間くらいがんばろう」と思ったときに、部屋の入り口の方から奥に向ってだったと思うが、早足で少し力強く歩いていく足音のようになものが聞こえた。
隣のホールはこんな時間使われているはずもない。床下は配線できるよう少し浮いているため、同じ部屋での足音はよく分かるが、下階からの物音などは聞いたことも無い。
背筋が寒くなって、慌てて後片付けをし、帰宅した。

今までで一番怖かったのは、四国八十八箇所を歩いて回っていたとき。
ある川のほとりの無人のお堂に途中でであったお遍路さんと二人で一泊させていただいた。小さく川の音が聞こえる中、雑談をしていたが、疲れていたので二人ともさっさと眠ってしまった。
どのくらいったろうか。夜中にふと目を覚ますと、歩いてくる足音がする。このあたり、札所の距離も長く宿も見当たらないので、別のお遍路さんかな、と待っていると、お堂の扉の前あたりまできた足音が、そこで消えてしまう。聞き間違いかな、と思い、うとうとしだすと、また足音が。今度こそ、と待っていると、やはり同様。思い切って外へ出てみると、誰もいない。ただ、川から上がってきたのだろうか、沢蟹が数匹、お堂に上がる石段の上を登っていた。
疲れているんだろう、と眠ろうとすると、やはり足音。そして扉のあたりで消える。もう、部屋の隅で聞かないふりをしていた。やがて足音もおさまったようで、睡魔が襲ってきた。ああ、もう寝てしまいそう、というときに、また足音。どうせまた手前で消えるんだろう、と眠りに落ちようとした瞬間、石段を上がる音が。びくりとした、次の瞬間、ガラッと扉が開き、私は心臓が飛び出るかと思った。




それは近所の老婆で、毎朝5時にお堂にお参りしている方だった。


上の二つの話の足音は、今以て説明がつかない。